ハラール産業会で使用された講演資料の一部。採用を検討する企業にとってのメリットが明記されている。
豊富な商品の一部。すべてハラール対応となっている。
▶ハラール対応を検討するにあたり、御社の強みはどこにあるのでしょうか。
まずは徹底した管理体制からくる、ハラールに取り組むお客さまへの「安心・安全」のお約束です。理想的な活動ができている食品関連企業の証明でもあるFSSC22000 の取得、そして国内でも厳格な審査基準を持つ日本ハラール協会からのハラールキッチン認証を取得しています。定期的な認証団体からの監査も受けています。取引の検討に際し、希望されるお客さまは工場の見学も行なっていただけます。
さらに味の面では、通常の調理過程を経て提供される和食と遜色ないレベルまでこだわった、多種多様な商品を取り揃えています。つまりお店側としては弊社の商品を通常のメニューと同じように用意いただくだけで、一般のお客さまも、ムスリムのお客さまも分け隔てることなく対応が可能となるのです。またブッフェレストランなどではハラール専用の特別なスペースを設ける必要もなく、営業スペースの最大化、オペレーション導線の拡大などにも貢献します。何よりハラールに関わるさまざまな気遣いを軽減することで、現場の方には余力が生まれ、より良いサービス提供につながっていくことを期待できるのではないでしょうか。
ハラール専用の工場には400 種類近い証明書付きアイテムが存在します。商品開発とともにアイテム数は微増し続けていますが、そこまでやるからこそ、私たちの商品には他社にはない価値が付いてくるものだと考えています。
▶商品開発におけるこだわりについてお聞かせいただけますか。
前提として、日本に来られるムスリムの方の味覚に合わせた商品開発ではなく、「ムスリムの方が和食本来の味の豊かさを堪能いただける」、そんな想いを持って商品開発に取り組んでいます。販売を促進させるため、小分けのポーション販売にも対応しています。さらにハラールに加え、現在は7 大アレルゲンフリーにも対応した商品を数多く取り揃えており、さらなる「食のバリアフリー」を推進しています。
▶初のホテル導入・提供事例となるホテルヴィスキオ大阪のケースについて少しお聞かせいただけますか。
急増するインバウンド、乱立するホテル建設を背景に、インバウンド需要獲得に努めるため、顧客層へのアプローチを実現する一つの足掛かりとするため、ムスリム対応に取り組んでいると担当の方から伺いました。同社が運営されるホテルグランヴィア大阪では、ムスリム需要に対応するため、フレンドリーメニューの提供を従来行なわれていたようですが、ホテルヴィスキオ大阪では認証取得のもとに、グローバルスタンダードに則った商品提供を目指されるということで、今回の取引が実現しています。6 種類の総菜が盛り込まれた弁当箱のセットを事前予約で提供するという流れになっており、お客さまの評価をもとに、担当の方と相談しながら定期的に中身の入替えや開発を行なっていく予定です。
▶最後に今後の抱負についてお願いいたします。
「食」には、文化や生活といったお国柄が非常に色濃く反映されます。弊社では国内のみならず海外への輸出も行なっていますので、事業を通じ、日本の素晴らしさを海外に発信する一助であり続けたいと思います。
ホテルヴィスキオ大阪で提供されるハラル焼き肉弁当。ほか魚をメインにした弁当の用意など、ゲストは選ぶ楽しさも得ることができる