㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏
㈱リウボウホールディングス 代表取締役会長 糸数 剛一 氏
1999 年全国で311 店舗あった百貨店も2108 年には200 店舗に減少する見込みだ。郊外型ショッピングセンターやインターネット通信販売など新たな流通改革は、特に地方都市における百貨店の衰退、空洞化現象を引き起こしている。1991 年沖縄で百貨店を開業した㈱リンボウインダストリーも4 年連続赤字が続いた。存続も危ぶまれる中、コンビニエスストアの商法を軸に、社長就任翌年に黒字転換させたのが、㈱リウボウホールディングス 糸数剛一代表取締役会長だ。その手腕ぶりをお聞きした。
福永 流通改革や郊外型ショッピングモールの進出などにより、特に地方都市での百貨店経営の存続が厳しく、毎年数店舗が閉店を余儀なくされています。その中で赤字が続いていた百貨店を見事に黒字転換され、今もなお売上、利益ともに伸ばし続けているとお聞きしました。どのようにしてV 字回復されたのか、お聞きかせいただけますでしょうか。
糸数 私はグループが経営していた沖縄ファミリーマートの運営に携わっていたのですが、百貨店経営をしている㈱リウボウインダストリーが4年連続赤字だったことから、立て直しのために声がかかったのが始まりです。当初は“百貨店はこうあるべき”という考え方や商慣習が根強く残っていました。“今、変わらなければ百貨店がなくなる”ということを言い続けた結果、中堅以下の若手が動き出したのです。超ベテランは本質的に崩されたくないため、変化することに恐れていましたが、若手は自分たちの将来のためにも今、変わらなければならないという意識、まさにもう後がないという背水の陣の気持ちで挑んでくれたのです。