「失礼します」はもはや公害!?
昨今までホテルで働くものにとって「失礼します」は接客用語の代名詞みたいにとらえられ、日々当たり前に使われてきた。そういう私も10 数年前までは「失礼します」の大連発をしていたが、この言葉の間違いに気付いてからは、私の頭の中から失礼しますという単語は完全に消去された。なぜならばこの言葉はお客さまのことを思って使ってきたというよりは、自己満足で使っていたことに気付いたからである。けれどもお客さまからお金を頂戴する以上、サービスとは自己満足でするものではなくお客さま満足でするもので、仮に失礼しますという言葉を省いてコーヒーや、料理をお出ししたとしても、今の時代「君失礼じゃないか」とか、「あなたのサービスはホントに失礼ね」と怒るお客さまは一人でもいるだろうか。それどころかむしろ今はお客さまにとって雑音以外の何物でもないと思う。私が本誌を借りて定期的に発信しているのは、このことを一人でも多くのリーダーの皆さんに一日も早く理解してほしいからなのである。
メニューに書いてあれば・・・
過日、あるレストランに行って生姜焼きを頼んだときのことである。出てきた料理を見たら、なんとにんにくをカットしたものがごろごろ入っているではないか。まだ夜なら構わないが昼時だったので、にんにくはすべて皿の上側に省いて食べたが、それでも肉にニンニクの味がしみ込んでいたので焦った。そんなときのために役立つのが昔の人の知恵。生のリンゴを四分の一食べるだけで、リンゴに含まれているポリフェノールと酵素が臭みを消してくれることを。とはいえ会計のとき「すごいにんにくの量でビックリしたよ」と言うと、「メニューの下ににんにくは省くことができます。注文の際お申し付くださいと書いています」と言われました。リーダーの皆さんは、書いてあるから見ろではなく、「このお料理にはかなりニンニクを使っています。省くことできますがいかが・・・」、と一言添えるべきだと私は思うのですがいかがでしょう。