❐ 銀座にあるハイアット セントリックとして、どのような特徴を打ち出していきますか。
ハイアット セントリック 銀座 東京の館内には、銀座に結び付くストーリーをベースにしたさまざまなデザインやアートワークが施されていますので、まずはその独自の空間をゲストに感じていただきたいと思います。またオープニングパッ
ケージでは、銀座にある銭湯や珈琲店とコラボレーションした企画をご用意することで、宿泊ゲストが地元の街を探検するお手伝いをしています。ほかのホテルでは体験できないようなゲストに向けた提案については、今後も引き続き創出していく必要があります。
ハイアット セントリック 銀座 東京には、コンシェルジュの部署がありません。そのためフロントもレストランもゲストと接するすべてのスタッフは、自ら銀座の情報に対して貪欲になりながら、常日頃からアンテナを張って情報をキャッチしていかなければならないのです。「ホテルとして」ではなく、スタッフ個々人が「私の銀座を紹介します」と言える次元まで突き詰めることで、いかにパーソナルにゲストと結び付くことができるのかを追求していこうとしています。ゲストとスタッフのそうした関係性によって、ハイアット セントリック 銀座 東京の滞在を楽しんでいただける形を目指していきます。
ゲストがホテルに滞在中、何が最も印象に残って、再びそのホテルに戻ってくるのでしょうか。その理由を考えてみると、最終的には一人のスタッフと個人的につながることができたという感覚が最も大きいのではないでしょうか。そのつながりを大切にするためにも、「私だけのとっておきの銀座の穴場を教えて差し上げます。ぜひ体験してみてください」という提案を続けていくことは、有効な手段だと考えています。
好き嫌いが明確に分かれるホテルだから
ゲストコメントに一喜一憂してはいけない
❐ どのような客層がメインターゲットとなるのでしょうか。
客観的に見た場合、ミレニアル世代、デジタルネイティブと呼ばれる世代の人々を刺激するホテルであることは間違いないでしょう。銀座というロケーションにあるライフスタイルホテルですから、レジャーを目的とした30 代、40 代の方々に喜んでいただけると思います。ただ、今は50 代以上の層でもモバイル機器やSNS を駆使して情報を投稿したり、周りと積極的なつながりを持とうとしている人々が数多く滞在する時代ですから、実際にはミレニアル世代、デジタルネイティブにターゲットを絞り込むということにはなりません。
私たちはテクノロジーを駆使しながらもヒューマンタッチを損なうことなく、ゲストとパーソナルに繋がっていくサービスを提供すべく、チャレンジを続けていきます。シンプルでありながらも、「人」としてゲストとつながっていくことを目指したサービスを志していきたいのです。ですからハイアット セントリック 銀座 東京を訪れるゲストは、さまざまな場面でユニークなギャップを感じ取っていると思います。
ブランドの特性上、どうしても好き嫌いは明確に分かれます。一度トライアルして、このホテルのことを好きになったゲストがリピートしてくださる時期が訪れるタイミングで、私たちのオペレーションもようやく落ち着いてくると予測しています。
「期待値と違った」というネガティブなコメントを頂戴することも覚悟しておく必要があります。そうしたコメントがあったとしても、ハイアット セントリックというブランドの認知を拡大するためには、曲げてはならない部分についてはしっかりと芯を通していかなければなりません。現場のスタッフたちには、「ゲストコメントに一喜一憂しないように」と声を掛けています。
私自身、総支配人としてサーベイのスコアを必死に追いかけて、その数値を上げていくことが使命であることはもちろんです。それについては開業から3カ月ほど様子を見た上で、その先にやるべきことを見つけてトライしていくことになろうかと思います。場合によってはブランドのスタンダード以上のことに取り組み、多様な試みを仕掛けていくことになるのかもしれません。
トップインタビュー ハイアット セントリック 銀座 総支配人 内山 渡教 氏
テクノロジーとヒューマンタッチの快適な融合でゲストとパーソナルにつながっていく
【月刊HOTERES 2018年04月号】
2018年04月27日(金)