人気のバロメーター
売上高を上げる基本は、満足したお客さまの数を増やすことでお店の人気を高めることにあります。満足するから次回も選び、そして、その選んでいただけるお客さまが増えるとお店は繁盛します。しかし、折角ご来店いただいたお客さまに満足していただけなければ次回の来店にはつながりません。これが不人気の蓄積となり、最終的には不振店へと自ら転げ落ちるのです。そのお客さまの人気度を表したものが前年比で、それは、人気のバロメーターでもあります。この前年比が上がればお店は繁盛し、逆に、前年比が下がればお店は不振店へと成り下がります。だからわれわれは、来客数を増やすために良いオペレーションを第一に仕事をしています。それは、良いオペレーションがお客さまの満足と感動を高め、そして、来客数を増やし、結果としての売上高を高め、お店を繁盛店へと導いてくれるからです。オペレーションラインはこの人気の蓄積を高めてこそ第一の責任を全うしたことになります。
心・技・態を磨き上げる
武道の世界には、心・技・体という言葉があります。その心とは、相手とそして自分自身に打ち勝つ強い精神を言い、次に技は、厳しい鍛錬で磨き抜かれた技のことを言い、そして体は、強い体づくりのことを言います。その道を極めるためには、この、心・技・体を磨くことだと言われています。だから、どれか一つでも欠けていたら大切な勝負では勝てません。
商売の道にも心・技・態というものがあります。私たちの仕事で言う心には、精神的な強さのほかに、親切なおもてなしの心が必要になります。常においしいお料理を出したい、常に良いおもてなしをしたいという心を持つことです。
この心を磨き続けることが、料理やサービスの向上につながります。
次に技とは、調理技能やサービス技能、それに店舗マネジメント技術のことです。いくら心を高めても、それを表現する調理技能やサービス技能、それに店舗マネジメント技術等が身に付いていなければ、最終的なオペレーションで表現することはできません。技を磨くことによって、おいしい料理を創ることができ、良いサービスを行なうことができ、さらには、安定した店舗運営ができるようになるのです。
そして最後の態は、強い体づくりにプラス態度のことを言います。それは、料理人としての態度やサービスパーソンとしての態度、さらには料理長としての態度や店長としての態度を身に付けることです。
この心・技・態をわれわれ一人一人が磨くことがお店の発展と、われわれ一人一人の成長につながるのです。
Q・S・C が基本
言うまでもなく、クオリティーQ・サービスS・クレンリネスC は、われわれの仕事の基本です。私たちは、最高に清潔な店舗環境の中で、迅速で丁寧なおもてなしでもって、安全で質の高い商品を提供しなければなりません。このQ・S・C が常に高いレベルに維持されていることは、お客さまが満足感を抱いていることを意味しています。つまり、お客さまが望むものを、手ごろな値段で提供できれば、高い価値(バリュー)が生まれ、最大の満足感につながるということです。われわれの仕事は、この商売の基本であるQ・S・C について日々不断のカイゼンを行なうことで、常にレベルの高い店舗運営をすることです。
最高レベルのQ・S・C を促進し、維持することは順調なビジネスが約束されることであり、自店舗の将来を確固たるものとするものです。満足感を得たお客さまは、その後も幾度となく訪れることを忘れてはなりません。そのためには、Q・S・C にこだわりを持って、店舗の運営レベルを高めることです。
繁盛店の共通点の一つに、仕事に対するこだわりと、頑固な姿勢があります。当然と言えば当然ですが、商品にこだわり、人にこだわり、そして、お掃除にこだわってこそ、お店がいきいきとし、お客さまの満足と感動を得ることができるのです。ただ単に、お店を開けて閉めるだけでお店が繁盛することは決してありません。そのためには、具体的に一つ一つのことがらに対して頑固なこだわりを持つことです。これが、お店のQ・S・C レベルを決定します。
※もっと詳しく知りたい方は著書をご覧ください。
『飲食店で働く人たちへ1 分間メッセージ
――店を伸ばす自分を磨く仕事のやり方』
著者:五十嵐 茂樹
第37回
五十嵐 茂樹 Busines Revitalization 事業再生を科学する!
第37回 One minute message №3 一分間メッセージ №3
【月刊HOTERES 2018年04月号】
2018年04月20日(金)