近年の食物アレルギーを含むアレルギー疾患の急増を受け2015 年12 月、アレルギー疾患対策への指針策定を国に義務づける「アレルギー疾患対策基本法」を実施。それにより、フードビジネスに携わる企業はもちろん、国民もまたアレルギー疾患に関する正しい知識を備え、注意を払うことを努めなければならない。そこで、現時点の当事者だけでなく、改めて識るべき「アレルギー対応」について発信する。
NPO 法人アレルギーっこパパの会
理事長
今村慎太郎
Shintaro Imamura
〈Profile〉娘の食物アレルギーをきっかけに、アレルギー対応力が高い企業が食物アレルギーのない人たちから選ばれる社会を目指し、2013 年NPO 法人アレルギーっこパパの会を設立。研修・講演、メニュー開発やコンサルティング、アレルギー対応のためのコミュニケーションWEBサービス「アレコミュ」で、ホテルや飲食店など外食企業のアレルギー対応支援を行なっている。
NPO 法人アレルギーっこパパの会 http://www.arepapa.jp/
今の外食環境に対する
食物アレルギー患者家族の声
今年1 月、毎年恒例の「参加者全員の全アレルゲンに対応したイベント」を六本木のレストランで開催しました。NPO法人を立ち上げてから毎年開催し、今年で5 回目となるこのイベントは、いわゆる「外食が難しい子どもたち」にも通常の外食店舗の調理場で対応します。
今年の参加者は64 名(スタッフを除く)、うち食物アレルギーがある子どもや大人が30 名でした。申告アレルゲンは約40 品目(卵、乳製品、小麦、えび、かに、そば、落花生、あわび、いか、いくら、カシューナッツ、キウイフルーツ、くるみ、ごま、大豆、たこ、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、メロン、マンゴー、パイナップル、桃、アーモンド、ココナッツ、生トマト、生のバラ科果物、魚卵、ナッツ類、ピスタチオ、アーモンド、カカオ、大麦、生肉、生魚、貝類、マスタード)で、これらを使用せず、ブッフェ形式で料理を提供しています。