北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI( 米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事
インバウンド市場が堅調な中、ラグジュアリー市場も今後大きく成長することが予想されています。ボストンコンサルティンググループによる「グローバルウェルス・レポート」によりますと、2014 年度の世界の家計金融資産では約164 兆円、対前年度比で約+12%とのことで、同社による2019 年度予測では約222 兆円(約+35%)としています。2014 年度の資産100 万ドル以上の富裕者層人口は約1700 万世帯と前年度から約200 万世帯増加し、特にアジア太平洋地域においては2014 年度47.3 兆円、対前年度比で約+29.6%、同じく2019 年度予測では75.1 兆円と2014 年度の+58.8%を予測しています。このように富裕者層マーケットは昨今大幅に拡大しており、日本の宿泊市場にとって、特にインバウンド市場の背後商圏となるアジア太平洋地域の富裕者層マーケットは成長市場の一つとして有力なホテルセグメントとなりつつあると言えます。そのような環境の中、リゾートホテルやシティホテル等でいわゆる4 スター以上のラグジュアリーホテルの開発が多く見られるようになってきました。そこで今回はラグジュアリークラスのホテル開発に係る立地要件、質感要件(ハードウエア)、サービス要件(ソフトウエア)、スタッフ要件(ヒューマンウエア)について考えてみたいと思います。