TOEICⓇ Tests を活用して
全社的に語学力目標を設定
こうしたホスピタリティ業界を取り巻く環境変化の中で、グローバル人財育成のためにどのような取り組みがなされているのだろうか。
JTB コーポレートセールスでは、2016 年4 月に「人財価値向上プロジェクト」を立ち上げ、社員教育の改革や学ぶ風土の醸成を目指して活動している。また、プロジェクトの一環として社員の英語レベルを確認するため、TOEICListening & Reading Test( 以下TOEICL&R)を実施し、約1,000 名の社員が受験した。このほか、英語トレーニングの専門講師を招いて「英語やる気アップセミナー」という“ 学びの場” を提供。業務終了後の開催にもかかわらず、延べ約200 人の社員が受講するなど好評を博した。
ANA の取り組みでは、TOEIC L&R を活用して全社的に語学力の目標レベルを設定していることが注目される。具体的には、地上職を対象にTOEIC L&R のスコア730 点以上の社員を一定数確保することを目標の一つに掲げているほか、管理職登用試験の受験資格や一般職(非管理職)の昇格、国際線チーフパーサーなど客室乗務員の資格取得訓練にもそれぞれ高いレベルのスコアを要件として設定している。
このほかの取り組みとして、「海外派遣機会の増大」や文化・価値観の違いを理解することに焦点を当てた「グローバルマインドセットセミナー」の開催、英語力向上のための「選抜型短期集中プログラム」の導入などがあげられる。短期集中プログラムの受講に選抜された管理職層には、TOEIC L&R のスコア800 点以上の取得を求めているとのことだ。
おもてなしのスキルを競う
ユニークなコンテスト
ANA では、ユニークなスキルコンテストやさまざまな資格取得訓練を設けて人財育成に取り組んでいることも特筆される。スキルコンテストは、コールセンターが「応対コンクール」、空港旅客部門が「空港カスタマーサービススキルコンテスト」、客室部門が「”OMOTENASHIの達人” コンテスト」という名称で、それぞれ年1 回実施。実際に起こり得る場面を再現し、おもてなしのスキルを競い合うことによって目指すべき人財の育成を図っている。
資格取得訓練は客室部門に設けられているもので、年1 回のTOEIC L&R 受験や機内英会話教育、ファースト・ビジネス・エコノミー各クラスのサービスを担当する資格取得のための訓練が行われている。
特別レポート 2017 年度TOEIC Ⓡセミナー
ホスピタリティ業界大手の“おもてなし力向上” の極意に熱い視線!
【月刊HOTERES 2018年01月号】
2018年01月18日(木)