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新連載

新連載  “風の人”山下裕乃の「THE SHARE」

【月刊HOTERES 2017年09月号】
2017年09月15日(金)
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㈱オータパブリケイションズ 執行役員 山下裕乃

新連載“ 風の人” 山下裕乃の「THE SHARE」をスタートする。
今回はプロローグとして連載の目的などをまとめてみた。
HOTERES をこよなく愛していただいている読者の皆様、そしてこれからHOTERES の読者となる方々に向けて、全国各地、海外も含めたお役に立つ最新の情報や今後の動きを予測するための指針となる情報発信に努めていきたい。

 
 連載のタイトルに掲げた“風の人”は全国各地を巡って地域の人々の暮らしや生業に触れ、地方を含む多拠点を俯ふかん瞰的にとらえながら自分の人生を生き抜くために風にように旅する人を言う。最近では“風の人”と地域に根差す“土の人”を融合させた地方創生に向けた動きが起こり始めている。過疎化が進む町で働く看護師たちや地域活性化に向け週末にボランティアで働く人々など、地域からすれば「よそもの」が入り込むことで、風と土(地域住民)とが融合し、風土のもともとの語源である自然現象にとどまらない人間交流による新たな環境や文化を作り出すことができることが議論されている。
 
 私はもともとウエディングを主軸とした取材活動を長年携わっていた。全国各地のウエディング施設やかかわる企業の取材活動を進めてきた。しかしながらウエディングを取り巻く環境の変化の中、ウエディング業界に留まらず、最終的にはウエディングやホテル、レストランなどのサービス業に還元できる新たな道を見出していかなければならないと感じ、政府も支援している地方創生に着目した。
 
 訪日外国人旅行者数4000 万人を目指し、東京五輪が開催される2020 年に向けた大きなうねりの中で、地方都市が首長を軸にかかえるさまざまな問題を解決するため、魅力あふれた街を作り上げるために動き出してきたからだ。
 
 地方都市における過疎化、高齢化、後継者問題、空き家対策など、首都圏を中心とした構造が強まる中、深刻化している。結婚をしない若者の増加、少子化など人口問題は日本の国力にもかかわる深刻な問題であり、加えて通信機器の発達にともなうコミュニケーション能力の低下、精神疾患予備軍の増加など、これからの日本を背負う世代のさまざまな変化はもはや止めることができない状況にある。
 
 指をくわえて傍観しているわけにはいかない。私もいつかは年金問題や独居老人、健康問題などさまざまな問題に直面するときがくる。“人生を楽しく生きていきたい”と思っていても思い通りにならない環境や社会、健康状態かもしれない。今はまだ正直、不安感にさいなまれていない。しかしながら、皆がハッピーになるためには今、まさに改革の手を強めていかなければならない。
 
 そこで今春、ウエディング業界の枠を超え、思い切って別冊「ACTIVE JAPAN -地方創生とMICE -」の発刊に着手、制作にあたり全国各地を歩き回りはじめた。取材活動を通じて、これまで以上にさまざまな方々と出会い、さまざまな町の空気に触れられる機会が増えた。ホテルはもちろんのこと、市町村の首長や地方の金融機関から生産者など、地域を作り上げているさまざまな人の声を聞けるようになった。
 
 取材を進める中で“もっとこうすればいいのに”と感じたり、“人材や企業など外部とのコラボレーションによりもっと発展するのに”と思うこともある。もちろん、“えっ”“なるほど”とおどろき、関心、共感する発想や考え、意見などもある。風の人だからこそ、俯瞰的に感覚的に体系的につかめるものが山ほどある。そこで風来坊的に全国を旅して得た情報を読者の皆様に分かち合いたい、シェアしたいという思いから、“風の人”山下裕乃と「THESHARE」を組み合わせたタイトルとした。
 
 もはや単一民族の島国の発想や仕組みでは世界に太刀打ちできない。まさに今こそ開国のとき。古き良きものを伝え、そして風と土がともに手を携えて新たな時代を作り上げていくときでもある。ホテル、レストラン、ウエディング業界もまさに変化のとき。さまざまな意見やアイデア、人、企業と交流し受け入れ、新たなものを生み出していくために役立つ情報を発信することをお約束する。

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