■宮北結僖(みやきた ゆき)プロフィール
株式会社 心に響く話し方 代表取締役 http://www.genkyo.net
一般社団法人日本心に響く話し方協会 代表理事 http://www.genkyo.jp
【略歴】
西田敏行・緒形直人率いる劇団青年座を経てTV・舞台等で活躍
(役者名:宮北由季)20年の俳優実績と2000組のブライダル司会者の経験を生かし、現在「言響(心に響く言葉で話す)スクール・セミナー」を主宰。
「実践型体感スクール」として定評がある。個別レッスン・言響表現塾・言響インストラクター塾をベースに「内容以上に、心を伝える話し方」を東京・大阪・福岡で指導。各地より受講生が集まる。
著者/ 「お客様の心に響く話し方」(BAB出版)
「話し方お悩みカイケツアドバイス」(あさ出版)
AIにはAIにしか、人間には人間にしか出来ない事がある。
AIと戦うのではなく人間にしか出来ない仕事をする。
少し前のお話です。
元ヤクルトの野球選手で、現在スポーツライターとしてご活躍の
青島健太さんの講演を聴きました。
青島さんは現役引退後、オーストラリアに数年、留学されていました。
そこのある田舎町で、野球を全く知らない子供たちに野球を教えていたそうです。
ある日子供たちが
「試合をやってみたい!!」
先生VS子供たちです。
初めてですから当日、子供も先生もおおはしゃぎです。
青島さんが子供たちに「よ~~し守備にでろ~」と言うと
参加した子供たち全員15人、嬉しさのあまり我先にと
グランドに飛び出し守備にはいったそうです。
ご存知の通り野球は9人です。
青島さんは 数人戻そうかと思いました。
でもあまりにも嬉しそうに守備に入っている子供たちを見て
「まっ、いっか」
と思われたそうです。
「別にこだわらなくていいじゃん」って。
その言葉を自身でつぶやかれた時、色んなことに気づかれたそうです。
*専門性が高まれば高まるほど柔軟性ってなくなる。
*でもそれって色んな可能性をドブに捨てていないか?
*固定概念を破り、はみ出した先に、すごいことが待っているのではないか?
ちなみに 次に先生が守備に入ったら25人だったそうです(笑)
ファーストに3人とか、ピッチャーの後ろにもう一人ピッチャーみたいな…
これも「まいっか!」
専門性が高まれば高まるほど、時に視野は狭くなります。
『ま、いっか=ま、良いか』です。
「ま、いっか」と、風穴を開け、手放すと『ま、良いか』でよい方向に
進むのではないでしょうか。
西日暮里で30年近くウェディングドレスショップをやられている「アトリエアン」
そちらに「アンさん」という女性オーナー様がいらっしゃいます。
たくさんの花嫁様がいらしています。そこには新郎の姿も見えます。
ところがスタッフさんも全員女性、男性である新郎はどうしたらよいか分からず
モゾモゾされています。
そこへ アンさん。
「これな、今朝送ってきた新鮮な卵やねん。
ゆで卵にしたからよかったら食べてや。美味しいで」
部屋中大笑いです。一気に新郎の緊張もほぐれました。
そしてここでは 当日の挙式のリハーサルもしてくれます。
入場するときの歩き方、腕の組み方、階段の上がり方や回転の仕方、お辞儀の仕方
などなど…。
もちろんそこには新郎や両家ご両親もからめて、時に笑いながら ジーンと感動しながら
リハーサルです。
繰り返し申し上げますが、ここは「ウエディングドレスショップ」です(笑)
ドレスを試着させ、販売するという固定概念からはみ出し、
様々な工夫をされているのです。
ゆえに結婚式が終わっても「新婚旅行のお土産買ってきたから」「赤ちゃん見てもらいたくて!」「おかげさまで1年経ちました」と、遊びにいらっしゃるお客様が後を絶ちません。
スタッフさんも、ただドレスを販売するのではなく、
お客様が笑顔になるために時に女性オーナー以上に色々な工夫をされています。
いつの間にか築きあげられた価値観、固定概念。
一度壊してみると、自身はもちろんのこと、周りのスタッフさんの
可能性も広がりそうです。