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日本のワイン市場は4 年連続で過去最高を更新
スパークリングと日本ワインが市場を活性化させる
スティルワインの輸入は減少
キリン㈱は、グループ会社のメルシャン㈱のワイン参考資料を基にした、日本におけるワイン市場のレポートを6 月に発表した。国税庁発表資料によれば、2015 年の国内ワイン消費数量は、12 年に記録した過去最高の消費数量を4 年連続で更新した。1998 年頃に当時最大となった消費数量は、ワインブームの落ち着きと共に08 年まで減少。09 年より再び増加に転じ、この7 年で市場は1.5 倍に拡大している。輸入ワインではチリを中心とした新世界ワインが消費を牽引、国内製造ワインでは日本産ブドウ100%で造る「日本ワイン」への人気の高まりが顕著に表れている。
わが国におけるスティルワインの輸入は、16 年は減少に転じた。1 ポイント以上の減少は06年以来であり、特にフランスワインが1 割以上の輸入減となったことが響いた。一方でチリワインが2 年連続で国別輸入数量第一位となり、輸入ワイン全体に占める構成比も、チリワインが約28%と昨年から4 ポイント増え、今後も日本のワイン市場でフランス、スペイン、イタリアの3 カ国とともに大きな存在感を示していくことになると言われている。
スパークリングワインの輸入伸び
スパークリングワインの輸入量は、景気低迷で高価格帯のワインが伸び悩んだ09 年を除き、日本のワイン市場拡大の大きな役割を担っている。主に家庭用市場向けに2000円以下のリーズナブルなスパークリングワインが好調に推移し出した10年以降、近年では高価格帯も堅調となっており、輸入数量は伸長している。16 年は前年から全体で4.4 ポイント増え、7 年連続で伸長。10 年前と比較して約1.8 倍に拡大した。カバを有するスペインも7 年連続での増加が見られた。またここでもチリが、前年比1.5 倍と輸入量を増やしており、12 年からの4 年で3 倍を超えている。
日本ワイン生産者は300 へ
ワイン市場の更なる活性化に望み
日本ワインとは「国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒」を言う。15 年10 月、国が定める初めてのワインのラベル表示のルールとなる「果実酒等の製法品質表示基準」が定められた。表示基準の適用開始は18 年10 月30 日で、表示基準が明確になることでブドウ産地(収穫地)や品種などの表示が可能となり、日本ワインのブランド力向上による海外展開への後押しが期待されている。現在日本ワインは、国内製造ワイン(日本ワインを含む日本国内で製造された果実酒及び甘味果実酒)の製造数量全体のうち2 割弱と少ないものの、増加傾向にある。
日本固有のブドウ品種について、シリーズ Weekly Beverage『酒のSP』2010 年に「甲州」、2013 年に「マスカット・ベーリーA」が国際ブドウ・ワイン機構にワイン用ブドウとして登録された。15 年現在の国内のワイナリー数は全国で合計261 者、280 軒。原料用ブドウ品種の上位10 種は、甲州、スカット・ベーリーA、ナイアガラ、コンコード、デラウエア、メルロー、キャンベルアーリー、シャルドネ、巨峰、カベルネ・ソーヴィニヨンの順となっている。このデータの詳細は、キリン公式サイトに掲載されている。
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http://www.kirin.co.jp/company/data/marketdata/