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第七回 柴原陽子  人を育てるコーアクティブ・コーチング® 「聴き方」の角度を少し変えるだけで、こんなに部下育成が楽になる! 

第七回 視点(1)

【月刊HOTERES 2017年06月号】
2017年06月02日(金)
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「思い込み」の明確化
 
ここまで「視点」という言葉を使ってきましたが、別の言い方をすると、「思い込み」とも言えます。コミュニケーション研修でもよく話しますが、コミュニケーションがうまくいかなかったり、成立しなかったりする大きな原因はこの「思い込み」にあるのです。「思い込み、ものの見方」は人とのコミュニケーションだけではなく、自分自身のモチベーションや可能性の広がりを阻害していきます。前述したように「行き詰まり感」「にっちもさっちもいかない」「こうするしかない」という状態のときにコーチは言葉になっていないその奥にある「思い込み」を言葉にして指摘していきます。もちろん、推測だったり直感だったりするのですが、相談者に確認しながらその「思い込み」を明らかにしていきます。ここで大事なのは、「視点」に良い悪いはない、という意識です。ただ単なる一つのものの見方であり、そのような見方をしていて、それによってモチベーションが下がったり、仕方なく行動を選択したりしている、ということが起きているだけなのだ、という考えで、「今、何(対象)をどう見ているか(視点・思い込み)」が明確になると、その「対象」に対して新たな「視点」を見つけるスタートラインにつけるのです。
 
 少し練習していきましょう。A さんが悩んでいます。次の相談からAさんの「何(対象)をどう見ている(視点)/思い込んでいるのか」を考えてみてください。「最近、目標の数字に達成しない月が多くなってきました。チームメンバーにこれ以上プレッシャーをかけるとモチベーションは下がるし、そうかと言って達成しなければ上司に叱られ、おまけに私の評価も下がって昇格に響くし、そうなると最近子供も生まれて経済的にもどうなるか…。どうしたものかと…」と、かなり悲観的なトーンです。さて、このような相談を受けたとき、あなたならどのような第一声が出てくるでしょうか。「原因をしっかりと分析をしているのか?」とか「そんなこと言っている間にコーヒーの一杯でも売ってこい!」、「チームメンバーを甘やかしているんじゃないのか?!」…というようなことでしょうか。今回はそのパターンではなく、A さんの「対象」と「視点」を客観的に考えてみてください。ほかにもあるかもしれませんが、二つほど書き出してみましたのでご覧ください。⑴ 「チームメンバー」(対象)を「これ以上のプレッシャーには耐えられないに違いない!」(見方)と思い込んでいる。
(※極端な語尾にする方が分かりやすいので敢えてそうしています)
 
⑵「数値結果」(対象)を「自分の人生を左右するものだ!」(見方)と思い込んでいる。
 いかがでしょうか。対象に対して見方を書いてみましたが、そもそもこれは事実でしょうか。もし上記のようであれば、前に進むエネルギーは沸いてこないのは当然です。では、「チームメンバー」や「数値結果」に対する見方を変えていくには、どのようなかかわりが必要になってくるのでしょうか。
 
創造力の開発/創造力からの視点変換
 ここで冒頭に記載してある礎の一つ目をもう一度読んでみてください。「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」という部分です。コーアクティブ・コーチング® では、「人は本来、状況や環境から仕方なく未来を創るのではなく、自ら選択して可能性から未来を創っていきたい、と願っている」という、本質的な願いの実現に向けたかかわりをしていきます。具体的な例は次号でお伝えしていきますので、まずは「行き詰まり感」に遭遇した時に「今、何をどのように見ているのか」という問いを使ってはまっている視点と対象を明確にする練習をしてみましょう。

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