伊藤 淳氏
クラリス ウエディング ブランドエグゼクティブ/クラリス ウエディングプランナースクール校長/クラリス ウエディングプランナー研究所所長
〈プロフィール〉1997 年より㈱リクルートのゼクシィ事業部に8 年間在籍。ゼクシィ「茨城・栃木・群馬版」の立ち上げ責任者を経て、ホテルウェディンググループゼネラルマネージャーに就任。2005年退職し、「クラリスウェディングプランナースクール」を創設、第一線で活躍できるウエディングプランナーの育成に携わる。07 年に㈱リクルートと共同で現役プランナー向け研修を生み出し、ウエディングの打ち合わせオペレーションの改革を提唱する「明日からウエディング」を考案。さらにプランナーだけにとどまらず、ウエディング業界全体の活性化のためジュエリー業界のスタッフや現場キャプテンのトレーニングにも力を注いでいる。
春のウエディングトップシーズンも終盤を迎え、今秋予定のウエディングのお客さま最終獲得に向けて施行はもちろん集客、新規にもご多忙の時期だと思います。最近さまざまな会場のプランナーさんからお客さまのご状況をお伺いすることが多いのですが、「こんなウエディングがしたい」といったようなウエディングに対して温度感が高い方が非常に少なくなってきているように感じます。それはなぜでしょうか? 私はこの原因についてある仮説を立ててみました。その仮説とは「晩婚化」です。
日本の初婚年齢はこの20 年ほどで約3 歳上がっています。厚生労働省の最新データでは東京都と神奈川県ではついに男女とも初婚年齢は30 歳を超え、今や30 歳カップルは「晩婚」ではなく「標準婚」になってきています。この変化により結婚を考えるおふたりの価値観に大きな変化が現れてきていると感じます。30 歳代カップルの多くは20 歳代で多くの友人のウエディングに列席経験があり、ある程度知識を得ています。ゲストから注目を浴びる20 歳代だからこそできたウエディングも、30 歳代に入ってくると「恥ずかしい」という抵抗感が生まれてきます。何度かの列席経験からゲストとしての視点を重視するようになり、自らがゲストで経験した良し悪しがおふたりの「要望」になっているように感じます。