ゴールデンウィークも終わり、新入社員たちが元気な顔で出社してくるのか、経営陣や現場責任者にとっての第一関門のときだ。サービス業においてはゴールデンウィークも何もないが、入社後1カ月はまさに同様のときである。それ以前にサービス業における人材不足はますます深刻な問題であり、不人気さを何とか回復しなければならない。そこで登場したのが社内制度の活性化を目的とした組織活性化プラットホーム「TUNAG(つなぐ)」を発案したのが加藤厚史社長率いる㈱スタメンだ。
福永 ウエディングやホテル業界にかかわる多くの企業が人材不足で悩んでいます。サービス業全般にいえることでしょうが、仕事の内容や給与面など他産業との比較の中で、今の世代にとっては魅力を感じられないのかもしれません。また、仮に就職したとしても、すぐに心が折れて精神的に病んでしまったり、まだ先があるのに辞めてしまったりなど、せっかく採用したにも係わらず戦力として活かしきれないという状況が顕著となってきました。2020 年に向けてサービス産業においてはフォローの風が吹く中で、現状をどのように回復していくべきか課題です。
加藤 ホテルやウエディング業界にかかわらず人材不足は課題です。今いる人材に長く勤めてもらい、しかも会社へのエンゲージメントを高めるためにどうすべきか、根本的に見直すときがきました。離職率が低い企業の多くは、一見稚拙な言葉に聞こえますが、“会社が好き”“仲間が好き”という理由です。社内のコミュニケーションが良いということになります。同僚や先輩、上司との人間関係が円滑であることが不可欠であり、そのためには現状の社内制度の見直しと活性化を図っていかなければなりません。特にホテルは部門間の壁があり、部門の垣根を超えた社員の交流が希薄です。館内や社内で会っても顔は見たことがありますが名前も何も分からないため、声を掛けたくてもかけるきっかけがないという状況です。上司も部下と話をしたくても、今はパワハラやセクハラに対して厳しいことから、どのように声をかけたらいいのか分からず、コミュニケーションが図れないままというケースも多々見受けられます。