今回のポイント
価値と価格を中心に商品改良を重ねること、
その繰り返しが持続的な業績向上を導く
Profile
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。㈱船井総合研究所を経て、2004 年㈱スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
業績アップの力点をどこに置いて、どんな手順で進めていけばいいのだろう。同じ商品でも3 割引など価格訴求型の販売促進をすればレスポンスも早いだろう。報奨金をつけたキャンペーンも瞬間的な伸びにつながる。しかし、これらの価格訴求や人的な販売強化は瞬発力があっても持続力はない。業績アップで大切なのは、お客さまとの関係を発展させていく取り組みだ。
商売の構成要素は、図1 に示したように、人、商品、売場、接客、販促の五つになる。真ん中に主体者がいて、人の課題意識の基、相手のために表したものが商品だ。商品の使用価値を購入する前に確認できる場が売場。商品に動的な説明を加えお客さまの欲求へとつなげるのが接客。まだ商品の存在を知らない人に伝えるPR 活動、HP、チラシ、CM などが販促となる。