私が総支配人として初めて職務についたのは東日本大震災3日後、2011年の3月14日、任務地は当時、縁もゆかりもない仙台(すなわち震災の震源地でした)です。
多くの友人、知人に「大変でしたね」と言われました(現在でも多くの被災者の方が苦しまれているので実際は私の事などは取る足らないものです)。
確かにとてつもない状況ではありましたが、常に“そのつもり”で考えていましたので、どのような状況下であっても「やらねばならないこと」と「気持ちの持ちよう」は大よそ分かっていたので周囲の協力あっての事でしたが比較的スムースに物事を進める事が出来ました。
常日頃、上司やトップの判断を見ながら、聞きながら自分ならどういう判断やどういう戦略をとったかを考え照らしあわせておくことが肝要です。これを常に念頭に考えておくと遭遇した案件の数だけ引き出しが増え、気持ちのブレが少なくすみます。ホテルの現場はご存じのように不測の事態の玉手箱、日々何かがあちこちで起きています。我々はタフに振る舞う必要が時と場合にはあるのです。
結局、発生した事案に対しどのように判断し、対処したかの蓄積が、引き出しがその後の自分を決めていきます。