今回のポイント
予算内最良の価値と価格をつきつめれば
その価値を広く届けるラインアップ化に発展する
岡村衡一郎
(おかむら・こういちろう)
1971 年生まれ。亜細亜大学卒。㈱船井総合研究所を経て、2004 年㈱スコラ・コンサルト入社。120 社を超える企業変革を支える。「会社が変わるとは何か」、「人がイキイキ働くには何が必要なのか」を考え続け、「一品」という変革コンセプトを発見、体系化する。支援先の起源や今あるリソースを足場に、「あるもの」から「ないもの」を生み出す一品イノベーションに多くの経営者ファンを持つ。変わるためのテコをあぶりだす「経営者オフサイト」、「『一品』で会社が変わるワークショップ」を主催。著書に『一品で会社を変える』(東洋経済新報社)『30 代でチームのリーダーになったら最初に読む本』(同社)など
商品力アップの軸は二つある。縦軸は商品の価値/価格バランスを高める実践。横軸は客層に適した展開を図る実践である。
縦軸と横軸の関係は、自分事で考えると理解できると思う。食事でも旅行でもステレオでも、商品を選ぶ際、欲しい質なり経験なりをある予算をもって探し始め、ここで買ってもいいな、と思える感覚がフィットするお店で購入決定していないだろうか。得たい価値と価格のイメージから入り、ここならいいだろうという判断を何らかしているはずだ。
購入の制約になる予算の前後で、より価値が高いモノを選びたい欲求。対象商品のすべてを事前に吟味できるはずもないから、品ぞろえに何らか合理性を感じる場所を探したいという気持ち。この二点に最良な答えが提示できる状態をつくる実践が商品力アップそのものである。