「一般人でありながら舞台に立てるのは結婚式しかない」とイタリアでは言われているほど、大勢の人から注目される人生最高の舞台は結婚式だと言っても過言ではない。最高のステージに立つためには多くのサポートが必要だ。その一つがヘアメイクスタッフであり、花嫁が最も重視しているポイントでもある。結婚式の美容に特化し、指示されているのが安田仁実氏が指揮するビーイー㈱だ。美容部門のスタッフは100% 女性のみ。企業として飛躍するための人材育成、組織作りについてお聞きした。
福永 数年前に社名もヒトミヤスダメイクアップスタジオからビーイーに変更され、ますます躍進し続けていらっしゃいます。スタッフは大半が女性とお伺いしましたが、現在、何名のスタッフがいらっしゃるのですか。
安田 社員、アルバイトを含め120 人ほど。うち社員は30 人です。ウエディングシューズ「ベニル」の営業に男性が1 人おりますが、ほかはすべて女性です。私自身、どちらかと言えば女性の方が指導しやすいことと、ウエディングの仕事は女性の方が向いているということから女性を起用しています。しかしながら、今後の事業発展のためには男性の力も必要であるという考えから、女性である私の個人名を看板にしていた社名を変更しました。
福永 女性は、結婚や出産でようやくこれから第一線で活躍できるというときに退職してしまうケースも多いのですが、御社では女性スタッフ活用のための取り組みをどの様にされてらっしゃるのでしょうか。
安田 そうですね。学校を卒業して8 年～ 10 年ぐらいで結婚、出産のタイミングになりますので、職場としてはとても残念なのですが、フリーのヘアメイクとして戻ったり、後輩たちへの指導者として戻れるようさまざまな技術や能力をつけられる教育プログラムを組んでいます。ヘアメイクはもちろんのこと、エステの教育なども並行して行なっています。技術を身に付けることで当社ではなくてもどこかで役に立てることができるからです。逆に美容の専門学校を卒業していなくてもお客さまと技術者の仲介役というコーディネーターの道もあります。担当者には直接言いにくいお客さまのご要望をお聞きしたりなど、安心して結婚式当日まで迎えてもらえるようサポートしていきます。中にはコーディネーターから始まり、今ではヘアメイクやエステの技術も学びチーフとして活躍しているスタッフもいます。チャレンジ精神のある人はますます成長できるよう会社環境の改善に取り組んできました。担当者が不在でもお客さまからのお問い合わせやご要望に誰でもお応えできるよう顧客管理のシステム化も図りました。家業ではなく企業として成長していくために不可欠と判断したためです。
