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第5回 FROM THE PUBLISHER ——太田 進——

人不足

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月22日(金)
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 この先、われわれの業界にとどまらず多くの業界で明らかに見えている課題の一つに「人不足」がある。この課題に皆さまはどのように向き合っていこうとお考えだろうか。見て見ぬふりではここ数年は何とかなっても、近い将来必ず苦労をする。今のうちからの取り組むべき重要な課題であることは間違いない。
 


 ホテルやレストランの業界は、もちろん地域差はあれここ2、3 年でかなり良くなったと言えるであろう。ホテルにおいても単価が上昇し、大都市においてはホテルの部屋不足が多くのメディアでも話題になっている。今後も続きそうな円安やそれが一因となって増加し続ける訪日外国人、そして海外旅行から国内旅行への回帰の傾向を見ている限り、この流れはもうしばらくは続くであろうと見える。
 
 近年は長らくこのようなことがなかったのでわれわれとしてはありがたいことではあるが、一方で増え続ける需要と共に明確になってきた課題がある。人不足だ。しかも、この人不足の課題は一時的なものではない。続く団塊・ポスト団塊世代のリタイア、少子化ということからも今後この流れは収まるどころかよりいっそう厳しくなっていく。もはや表面的な取り組みでは対応できるものではなく、抜本的な取り組みが必要になってくる。
 
 ところが、多くの経営者が「人不足だ」と言っているにもかかわらず、抜本的な取り組みをしているという話を聞くことがほとんどない。「国が外国人の雇用にもっと柔軟にならないと」と言う割には、ではいざ外国人雇用が始まったとしたら対応できるような準備をしているかというと、そんなこともなかったりする。つまり、多くの企業で経営上の課題としながらも、なかなか抜本的な取り組みができていないというのが現状であろう。
 
 そんな中、新しい取り組みも出てきている。ハウステンボスが公表した「変なホテル」は「究極の生産性」を追求すると掲げ、ロボットがメインスタッフであるという。多くの方がご存じでないと思うが、ロボットの開発技術は、法律などさまざまな制約でまだ表には出ていないものの、実は皆さまの想像をはるかに超える領域まで来ている。これまで人が行なっていた作業が、いつロボットに取って代わられても不思議のないところまで来ているのだ。
 
 繰り返しになるが、人不足の問題は今後さらに深刻になる。以前から話題になっているIR法案が通れば、それはより一層明らかになるはずだ。今のうちから採用や雇用維持のための努力をする企業と、先送りの企業では、時間がたつごとにその差は開いていく。一刻も早く、取り組みを始めるべき課題であることは明らかなのである。

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