世界の国際観光市場では観光客数のうち過半数が近隣国間での国際観光市場内で移動しています。つまり日本のインバウンド市場は欧米からの訪日観光客増とともにアジア圏からの安定需要が見込まれており、今後のリピーター比率の上昇が期待されるのです。今後より多くのリピーターが訪日するインバウンド市場となれば、顧客ニーズはどのように変化するのでしょう。おそらくは、ほかの人が行ったことがないような特別な体験をしたい、その体験をできるだけ多くの人とシェアしたいなど目的地との深い関係を求めるのではないでしょうか。つまりショッピングや主要観光地から特別な「価値ある体験」を求めるような傾向が見られるようになるはずです。そのような環境にあって前回は、インバンド市場の拡大を背景にしつつ海外の旅行物価水準格差も勘案し、今後日本のホテル旅館市場において重要となるであろうホテルや旅館の「Value for Money」という観点をご紹介しました。今回は具体的にそのような「価値ある体験」を提供するために、どのような運営視点が求められるのかを特にブランディングから改めて考えてみたいと思います。
第1回
新しい視点「ホテルの価値」向上理論
第166回『ホテルのブランディングとシーン・メイク』
【月刊HOTERES 2015年04月号】
2015年04月10日(金)