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第1回 「予期せぬ偶然」を楽しむくらいがちょうど良い 森弥生のキャリアドリフトウエディング

第55回

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月08日(金)
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目黒雅叙園の業績アップに加え、ゲストハウス「アフィーテ目黒」の黒字転換、2006年10 月1 日にオープンした「ルミアモーレ」の業績アップ。渡部社長は勢いに乗り拡大路線を突き進んだ。弥生もその勢いに乗り、集客の原動力となるキラーカット撮影のために自らカメラを持ち“ほらここ!”と言ってシャッターを切ったり、脚立に上ったり、ときには寝転がるなど弥生の経験と感性を爆発させていた。
そして2007 年5 月1 日、目黒雅叙園グループが誕生した。渡部社長率いるワタベウェディング㈱が直営の国内7 挙式施設について、5 月1 日付で同社100%出資子会社㈱目黒雅叙園に事業譲渡することを決定、ワタベウェディングの国内ローカル挙式事業を新生「目黒雅叙園グループ」に統合したのだった。国内挙式事業の再構築・強化を図ることが目的だった。
 当時、海外ウエディングの先駆者ワタベウェディングがついに国内にも乗り出してきた! どこまでやるのか! とウエディング業界のでも注目されていた。しかも専門式場として実績を持つ目黒雅叙園のノウハウを引き下げてのこと、驚異的な存在であった。
 事業統合により売り上げも100 億円突破、年間挙式組数も3339 組となる。そのころ、ホテルウエディングが低迷し、ゲストハウス型が勢いを増しているときでもあった。国内ウエディングは出遅れていた感があったワタベウェディングは、まさに弥生を実務部隊の中心とした歴史と実績のある目黒雅叙園を筆頭に、グループシナジー効果の発揮と売り上げ強化を図る絶好のタイミングだった。
 10 施設を擁する「目黒雅叙園グループ」として新たにグループポリシーと統一ロゴマークを制定し、ブランド力強化をした。グループポリシーは「婚礼を主軸に、人生のパートナーとして質の高いサービス提供で生活文化発展に貢献!」だった。“目黒雅叙園グループは、最高の宴の場を提供いたします”“婚礼から始まる人生の宴を華やかに演出いたします”“上質で心地よい宴(=集いの場)の提供により文化の発展に貢献いたします”を掲げた。
 クオリティーの高いサービスと安心・安全な食を提供し、人々が集う特別な時間、思い出に残る宴の場を演出すること。人生の最も華やかな儀礼である婚礼を基軸として、初宮・七五三・成人式など子どもの成長や祝宴、結婚記念日などの夫婦のお祝い還暦・喜寿など、人生の祝祭のパートナーとなること。人と人、また世代間のコミュニケーションを促進させ、より良い社会を作ることをミッションとした。
 グループカラーはガーネット。古来より変わらぬ愛情と深い絆をもたらすという意味を持つ「ガーネット」は生命力にあふれ、気品に満ちた「信頼と愛」の象徴であった。グループロゴ&デザインマークも変えた。優雅(ブライダル事業)に右に伸びるラインを描き、グループ全体の発展を右上がりのラインで表現した。丸みを帯びたG はグループをやさしく包み込むという意気込みを表現したものだった。
 2007 年当時、メディアに向けた会見において今後の展望を以下のように語った。「ワタベウェディングの国内挙式事業戦略の概要は、目黒雅叙園で培ったブライダル事業をベースとしたホテル再生ノウハウという当社の強みをいかした事業戦略にある。中期事業計画として、ワタベビジョン2010 の計画は売上高500 億円、経常利益50 億円のみ。
具体的な数値計画については決算発表後に。M&A については中期事業計画に照らし合わせ、事業として成り立つと判断した場合は、積極的に取り組んでいきたい。目黒雅叙園グループの直近の数値は決算中のため控えるが、2006 年12 月第3 四半期時点での経営成績は、グループ10 施設合計約82 億円、約2600 組」(上田副社長/佐藤総支配人談(当時))。
 グループ化にともない弥生の活躍できるステージは一気に広がっていった。

㈱目黒雅叙園 エグゼクティブブライダルアドバイザー㈱クレッシェンドプロデュース
 代表取締役副社長
森弥生
〈profile〉
1990 年リニューアルオープンの目黒雅叙園開業準備室に一般職で入社、その5年後女性初かつ最年少で婚礼支配人に昇格。一時800 組台まで落ち込んだ年間婚礼組数を2 年間で、1800 組までV 字回復を達成。その後ワタベウェディング関西エリア挙式事業部長兼任を経て、2010 年目黒雅叙園執行役員挙式本部長に就任。現在は目黒雅叙園のほか、同社が展開する国内6 施設の運営に忙しく全国を奔走中。14 年5 月、㈱クレッシェンドプロデュース代表取締役副社長に就任。

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