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第十回 キャリアデザインは口に出して言え 福永健司のキャリア論

やりたいことは気持ち悪くなるまで考えぬけ

2016年01月22日(金)
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 よく、やりたいことがわからない、見つからない。という言葉を聞きます。
 
 はい、そんなことは当たり前です。誰かがあなたにこれをやりなさい、あれをやりなさい、とは言ってくれません。学校にいる間は必修だ、選択だと科目があるのでそこから選べば良かった。しかしながら社会に出ると(いると)職業分類で括られている以上の仕事があり、またその中で自身の適性と志望にあったものを探すのは容易ではありません。
 
 私自身も一時期、自分は何が好きで、何が得意で、何が最も自分が生かせるかを真剣に考えている時期が続きました。本を読み、少ない交友関係から人に会い意見を聞き、気持ち悪くなるまで考えても答えは出ませんでした。
 
 当時、つきあっていたのは不安と焦燥感。

 「自分は何かできる」というやみくもな自信が実は何の裏付けもなく勢いだけだという不安。そして考える時間が長くなればなるほど時間が経ち、結果、スタートが遅れ、何者でもない自分が世からおいていかれているのではないかという焦燥感。
 
 結局、不安を拭いさる魔法のカギはなく、トンネルを潜り抜ける王道もなく日々をこつこつやりながら同時に考えるしかないのです。
 
 もう一人の自分がその時の自分を励まし、客観的に物事を考える癖をつける期間になったので苦しい時間も後で振り返ると決して無駄ではなかったのですが、渦中にいる際に余裕もなく実際に苦しい時間だったということは否めません。

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