『Out of the box』日本的に言うと既成概念にとらわれずいつもと違った視点で考えよう、という意味です。箱(既成概念)から飛び出して自由に発想しようというもので、グローバルな環境下では日常的に会話に出てきます。
私は現在の会社に入る前に2つ寄り道をしています。ひとつは前回、触れましたスキューバダイビングのインストラクター業、そしてもうひとつは今回、触れます小規模な会計事務所勤務です。
私自身が『Out of the box』を最初に体感したのは会計事務所への入社の際の面接です。
海外リゾートに勤務中、数値に興味を持ち、帰国後、友人のアドバイスもあり、手っ取り早く会計や数値関連を覚えるのは会計事務所がいいだろうという結論に至り、入社を目指しました。
時はバブル経済が崩壊し就職がかなり厳しくなっているタイミング(自分の年齢位の回数(私は当時25歳)に面接にいかないと受からないと言われ始めた頃です)で当時はまだパソコンなどで履歴書をつくるのもそれほど一般的でなく手書きの履歴書を片手に会計事務所の門を叩きました。
合格するに至るまでにかかった面接回数は38回(社)。面接の約束をしていったのに門前払い3社、履歴書をみせた途端に交通費を渡されたのが2社。挙句の果てにようやく面接までたどりついても日焼け顔の上、よせばいいのに何かの足しにということで取得してあった宅建(これもその当時は取得がブームでした)に旅行の資格を履歴書の該当欄に記述してあったので、面接官の会計士さんに「ダイビングのインストラクターに宅建ですか?なんだ、今度は簿記が流行るのかな?」などと嫌味を言われる始末。
とにかく不合格に次ぐ不合格です。その時の面談での自分の売り込みは「今、簿記学校で簿記の勉強をしていますので経験はないですが頑張ります」というもので箸にも棒にもひっかからない有様です。
簡単な面接などはないですが、不合格が続くと本当に人格否定という烙印を押されているようで気持ちがかなりへこみました。
20社以上、落とされた時に自分を奮い立たせようとしたのが某大手旅行会社の添乗員の採用面接です。失礼ながら全く就職する気はなかったのですが面接に行きました。海外旅行の取扱の資格を持ち英語ができるということで面接の日の夜に「是非に」と連絡を頂きましたが私より伏してお断りしました(ご免なさい!でも必要としてくれる人がいるという事実に気分が楽になりました)
しかしながら状況は好転せず35社目を落とされた時にはさすがに諦めようと思いました。
同時進行で残り2社、面接の約束を取り付けていましたので開き直って全くちがった面接スタイルで臨むことにしました。