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第8回 飯野智子 ホテルショコラ物語 

第8回 フロント 湯岡正昭

【月刊HOTERES 2016年01月号】
2016年01月22日(金)
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 前号で紹介した脚こと成田忍より長く同じ場所で、しかもアルバイトで勤めている男がいる。それがナイト主軸に勤めているフロント湯岡正昭だ。
 
 湯岡正昭がアルバイトにこだわる理由は仕事とプライベートをきちんと切り離したいという思いからだった。20 代~30 代前半まで会社勤務をしていた。ところが組織の中で働くことに窮屈さを感じ一人の世界に飛び出し、30 代後半で居酒屋を開業した。食材の仕入れから調理、アルバイトの面接、そして経理まですべて切り盛りをした。このとき“ 組織から開放されてすごくラクだった。本当に居心地がよかった” と当時の気持ちを素直に表現する湯岡正昭だった。
 
 やむなく居酒屋をたたみ、その後、ホテルショコラ函館の前身であるチェーンホテルに就職した。もちろんアルバイトだ。独立のとき経営、運営のすべてを自分で習得した湯岡正昭にとって、いまさら上司の話も聞けない。すべてを自分自身でやり通してきたからだ。
 
 アルバイトであればやるべき業務に徹底的に専念し、経営、運営に頭を悩ますことがない。そうすることでオンとオフの切り替えができるという考えからだった。
 
「今後もアルバイトで働き続けていきます」と決して揺るぐことのない、湯岡正昭の信念は固い。頑固一徹である。ところがそんな湯岡正昭にも頭が上がらない人がいる。それが支配人、飯野智子だった。

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