稼働率の季節変動に合わせて
長短レンタルを上手に組み合わせる
□寝具をホテル業界に導入していくにあたって、難しい部分はありますか。
施設によってリネンのサイズが違うというのは、効率面での難しさがあると思います。ベッドサイズによってふとんのサイズが変わること自体は問題ないのですが、形状についてベッドスプレッドタイプ、アッパーシーツタイプ、垂れ下がりタイプなどがあることから、ホテルごとにすべてサイズが異なると言っても過言ではありません。
リネンのサイズ統一のための取り組みを進めていくにあたって、必要な要素は三つあります。一つには「美的感覚」です。ベッドメイクをしたときのビジュアルの美しさが求められるので、その部分の提案力が必要です。
二つ目が「寝心地」です。私たちが考える寝やすい布団のサイズは体の大きさプラスアルファで、シングルの場合は150㎝× 210㎝が理想の大きさです。ところがホテルの客室を見ると、大きなところで230㎝× 230㎝もあります。このことを理解してもらえるように、私たちは努力していく必要があります。
三つ目が「メンテナンス」です。サイズが大きくなればなるほどベッドメイクの作業はより大きな手間がかかりますし、あらゆる面でコスト高になっていくでしょう。客室のメンテナンスを考えると、やはりサイズを統一した方がメリットは大きくなると思います。
サイズを統一した後、各ホテルが何によって差別化を図るかについては、リネンの「素材」でいいと思います。
□「プロレンタル」を導入されたホテルの方々から感想は聞こえてきますか。
今のところ「導入してよかった」という声はありますが、悪かったという反応はありません。「プロレンタル」が真価を発揮するのは、メンテナンスが入る数年後からだと思います。続ければ続けるほど、利用するメリットが増していくことになるのです。
また、稼働が少ない時期に必要以上の枚数のふとんを用意しておくと効率が悪くなります。そこで例えば、通常の時期は2セットを長期レンタルして、夏休みなど稼働が上がる時期は短期レンタルで6セットを追加して対応するといった組み合わせも考えられます。そのやり方によって実際に効率が上がったと、お客さまからご好評いただいています。
いずれにしても私たちは売って終わりというビジネスではありませんから、最低でも契約期間中は品質に問題のあるものをレンタルすることはできません。今、「Less is more(持たない豊かさ)」という発想を、生き方のベースにする時代を迎えようとしています。「持たないゆたかさ」が求められる社会において、「プロレンタル」の仕組みは最適であるという信念を私たちは持っているのです。
(問い合わせ先)
㈱コンフォートアライアンス
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士見1-4-11 九段富士見ビル4 階
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URL = www.comfort-green.jp
㈱コンフォートアライアンス
取締役会長 佐藤雄三(Yuzo Sato)
1954 年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。在学中、アメリカに留学。80年より羽毛原料ビジネスに携わる。国内外への原料供給をはじめ、羽毛ふとんの製造にも広く精通する。長年の経験と羽毛寝具業界の将来を見据え、2014 年9月に羽毛ふとんを中心とした寝具のレンタルビジネスを立ち上げる。