ホテル・旅館など宿泊業に特化したソリューションベンダーである（株）タップが毎年開催している恒例の「ホテル・旅館 ITセミナー」が3月20日、東京都中央区の日本 IBM本社セミナールームで開催された。今回のメインセミナーでは、千葉県浦安市の元オリエンタルホテル東京ベイの総支配人で、現在はトゥルー・マネージメント（株）の相原米夫社長が登壇。低迷するホテルの業績を V字回復させた相原流の経営術を披露した。

セミナー1では PMSメーカーならではの最新ソリューションを提案

毎回好評の「ホテル・旅館 ITセミナー」が、今年も（株）タップ主催、日本アイ・ビー・エム（株）共催、（株）オータパブリケイションズ協力で開催された。ホテルの宿泊、料飲責任者をはじめ業界関係者約 50人が参加し、真剣なまなざしが注がれる中、セミナーが始まった。

セミナー1は、主催者である（株）タップの清水吉輝社長が「タップホテルシステムの最新動向／新しいニーズに対応するシステムの活用事例」をテーマに講演。同社のホテルシステムのブラッシュアップとして、予約業務の効率化やマーケット分析、CS向上につながるソリューションを提案した。

まずは、客室予約業務の効率化を図る「ネット販売料金コントロールの PMS集約」について解説。昨今、ますます OTAからの客室予約数が増える中、PMSとネット予約の客室管理を一元化して自動制御する同社の新システムについて紹介した。

さらに、マーケット分析として客室の需要予測が手軽にできる「オンハンド・フォーキャスト」を提案。PMSから日別稼働率・ADR・RevPAR、予約経路別、マーケットセグメント別などのブッキングデータを抽出可能とすることで、手軽に安価に営業戦略に欠かせないオンハンド・フォーキャストの分析できるようになるという。

さらに CS向上を図るソリューションでは、昨今重要視される「モバイルシステムの積極導入」について紹介。ルームサービスの受注や手配、進行状況、ルームメイクの状況把握などを見える化し、CS向上につなげる考えだ。

続いてセミナー2では、弊社専務取締役経営調査室室長の村上実が登壇し「ホテル業界最新事情」を講演。「景気上昇局面での ADR、客室稼働率上昇の二大デスティネーション」、「外資系ホテルのさらなる参入とリブランディング」などホテル経営環境のプラストレンドや「全国的なサービス業の離職率の高さ」、「環境問題、建築基準法改正対応で新たなコスト増」などのマイナストレンドを 16のキーワードで提示。それぞれ具体例を挙げながら課題解決のヒントについても言及した。中でもホテルの格付け、IR法案については来場者から高い関心が寄せられた。