「すみだ水族館コラボアフタヌーンティー」メニュー。今回のメニュー開発では、「すみだ水族館」で展示される生き物たちの特徴を表現するだけでなく、小笠原諸島で行なっているアオウミガメの保全活動や江戸時代から続く東京の金魚文化の伝承など、同館が開業から続けている取り組みも意識したクリエイティブを心がけた
毎回テーマの面白さが話題の「ハイアット セントリック 銀座 東京」のアフタヌーンティー。2024年7月から9月にかけては初の試みとして、「すみだ水族館」とのコラボレーションアフタヌーンティーを提供する。同取組みではデイタイムにおける提供に加え、同館の“ブルーナイトアクアリウム”になぞらえ、限定カクテルや同館のショップでも人気の“ちょこんとマゼランペンギンシュガー”がソフトドリンクと一緒に提供される“ナイトアフタヌーンティー”も平日限定で展開する。
今回、メニューを考案する際にペストリーシェフの大澤氏は「すみだ水族館」で暮らす約260種7000点の中からチンアナゴやクラゲなど、同館のシグネチャーともいえる8つのいきものをモチーフとして選びスイーツに作り上げた。中でも同館のテーマカラーであり、“小笠原諸島の海”の世界観を伝える上で大切な要素である青色については“自然由来の色素で表現したい”と考え、スピルリナ由来のものを使用した。セイボリーに添えられたサブレにも小笠原産の塩を用いられており、デザインだけでなく素材や味わいにも同館の取り組みへのリスペクトを感じるラインナップになっている。
「ハイアット セントリック 銀座 東京」のアフタヌーンティーをクリエイトしている、ペストリーシェフの大澤隆一氏(写真左)とNAMIKI667スーシェフの有働孝司氏(写真右)。彼らの発想力、表現力が素晴らしいのはもちろんだが、それぞれの人柄が持つやさしさも、同社のアフタヌーンティー開発が魅力的なものとなる上で大きなエスプリになっている
今回のコラボが実現した背景には互いの世界観や取り組みに対する姿勢に共鳴したことや、それぞれに都内で人気の観光スポットであるという点に加え、おのおのが持つ市場への相互訴求が適う点も魅力だったという。そこで今回は7月1日~15日の期間、「ハイアット セントリック 銀座 東京」のXとLINEを活用し、「すみだ水族館」の年間パスポートや人気グッズ、NAMIKI667のアフタヌーンティー券が当たるSNSキャンペーンも同時展開する。
昨今、「ヌン活」という言葉が生まれるほどアフタヌーンティーがブームとなり、さまざまなホテルやレストラン、観光地で展開されている。しかし、アフタヌーンティーを看板商品としてだけではなく、プロモーションツールとしても活用し得るコンテンツにまで成長させた事例は他に類を見ない。その理由として、同施設のテーマ選定のセンスやコラボレーションの取り組みが挙げられるのはもちろんだが、最も成長の強みとなったのは圧倒的なエンターテインメント性を伴ったメニュー開発と、そこに付随して企画されたプランがあったからだろう。これは、同施設が新たな挑戦に“大らかな”文化のある東京の銀座という地で展開される“ライフスタイルホテル”であると同時に、アフタヌーンティーという伝統的なコンテンツを現代風にアレンジし、他にはない独自の魅力を自由に創生し得る“大らかな”土壌が社内にあることにも起因しているのではないかと推察する。
今後の展望として大澤氏は、季節性やコラボはもちろんのこと、“銀座ならでは、東京ならでは”のテーマやデザインを反映したアフタヌーンティーの企画を作っていきたいと語る。また有働氏は、ゲストの方に楽しんでいただけるだけでなく、スタッフも作るのが楽しくなるような料理をこれからも創作していきたいと語った。いずれにせよ、既に10月以降のアフタヌーンティーがどのような形で提案されるのかが楽しみになっている。
「ハイアット セントリック 銀座 東京」
https://www.hyatt.com/hyatt-centric/ja-JP/tyoct-hyatt-centric-ginza-tokyo
「すみだ水族館」
https://www.sumida-aquarium.com/index.html
担当:毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp