フランス・パリを拠点とする世界最大級のホスピタリティグループ・アコーは、ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ株式会社(JHRA)がアセットマネジャーとなった大和リゾート株式会社の国内23軒6000室以上のホテルの運営を受託し、2024年春にメルキュールブランド11軒と日本初上陸となるグランドメルキュールブランド12軒の23軒をオープンすることを発表した。今回、来日したアコー アジア CEOプレミアム、ミッドスケール、エコノミー部門のガース・シモンズ氏に特別インタビューを実施。日本市場における戦略および展望など伺った。
アコー アジアCEO
ガース・シモンズ氏
〈profile〉
東南アジア、日本、韓国、インドのプレミアム、ミッドスケール、エコノミー部門の最高経営責任者。 381軒以上のホテル(86,000室以上)と、Pullman、Novotel、ibisなどアコーの有名なプレミアム、ミッドスケール、エコノミーブランドを展開している地域の責任者を務める。
その土地の魅力を引き出し最高のおもてなしを提供
■大和リゾートとのパートナーシップの背景についてお知らせいただけますか。
背景としては、大和ハウスが子会社の大和リゾートを恵比寿リゾートに譲渡し、そのアセットマネジメントを担当しているJHRAから今回の運営受託の相談を受けました。メルキュール横須賀、メルキュール沖縄、メルキュール札幌はJHRAがオーナーを務めており、当社が既に運営受託をしている関係が以前からありましたので。また、アコーは今回のようなリブランディングを他の国でも数多く行なってきた実績があります。
アコーは、23軒のホテルの開業に際し、日本全国に定番の観光地以外の土地にも魅力ある地域が多くあること、そこに根付く文化・伝統が点在することに着目しました。観光需要の増加で分散型旅行の重要性が注目される中、地域の魅力の再発掘により、お客さまにより豊かな観光・宿泊体験を提供するとともに、日本の地方観光産業への貢献を目指していく考えです。素晴らしいホテルがわれわれのアコーグループに参画いただけることを光栄に思います。
■アコーは53のブランドを有していますが、その中で、今回、グランドメルキュールとメルキュールを選ばれた理由と狙いについて教えてください。
グランドメルキュールとメルキュールともに、ローカルにインスパイアされたホテルをコンセプトとしています。大和リゾートのこれまでの取り組みを見るとこのコンセプトにマッチしていると感じました。それがこの二つのブランドを選んだ理由です。
大和リゾートが日本全国で展開してきたホテルは、日本ならではの情緒を感じられる山々や海などの自然あふれる立地に隣接しており、本物のローカル体験、その土地ならではの体験が可能です。東京、大阪、京都といった定番の観光地はもちろん訪れる価値がありますが、ときには大都市から離れた地域でその国々の本物の文化に浸ることも旅の醍醐味であると考えます。私たちは、これまで大和リゾートが築き上げてきた各地域とのリレーションを尊重したいと考えました。
今回は日本23拠点でのグランドメルキュール、メルキュールの開業を通して、その土地の魅力を引き出し、最高のおもてなしをお客さまに提供していきたと考えています。