■日本の玄関口成田で2ホテルを運営、オリジン、出自を大切に色付けを
久米氏が総支配人を務める2つのホテルは、成田国際空港近くのフルサービスホテルという共通性もあるが、それぞれ明確な個性を持つ。よって各ホテルの舵取りも取り組む課題も異なる。「アートホテル成田は、もともと地域一番の老舗ホテルで長きに渡って地元の皆さまや経済界と深くつながってきた歴史があります。このご縁を大切にしつつ、利便性をさらに高めていきたいと考えています。また、地元のマーケットそのものは決して大きくなく、ホテルは供給過剰な状況です。特にF&B部門は地元利用だけではまかなえないので、どのようにバランスをとっていくかが今後のチャレンジです。企業や学校の研修、外国にスポーツ遠征に行くチームの事前合宿や記者会見など、地元以外の需要も積極的に取り込んでいく戦略です。
一方のホテルマイステイズプレミア成田は、客室数711室の大型ホテルです。このホテルが成田においてどのような役割を果たすべきなのかを、もう一度よく考える時期でしょう。現況は全体の約4割近くを航空会社のクルーが占めていますが、本年から航空機の発着数もかなり戻ってきており、国際色豊かなゲストを迎えるホテルとして求められるコンテンツをさらにブラッシュアップしていきたいと考えています。その一つ日本の良さを紹介する迎賓館として、近隣ホテルに先駆けて和食堂を再開しました。外国人のお客さまからの和食ディナーを楽しみにしてきたという声も多くなっています」。
両ホテル共通なのは日本の玄関口である成田において日本ならではのホスピタリティーを提供すること。その上でそれぞれのオリジン、出自を大切にした色付けをしていきたいと話す。
「当社は挑戦を良しとし、バックアップしてもらえる環境が整っているので、新たな投資や新たなサービスを提供することで、高評価を得る。このような良い循環がどちらのホテルでも実現できています。お客さまからきれいになった、使いやすくなった、料理がおいしいという声をいただける機会もあり、それが一番の喜びです。また、コロナ禍では難しかったスタッフの昇給もできるようになり、働きがいがあると話してくれることも大きなやりがいとなっています」。
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【月刊HOTERES 2023年12月号】
2023年12月18日(月)