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TAROホテル取材レポート:ザ・ペニンシュラ東京宿泊記

高級和紙のキャンバスに描かれた日本の伝統美とモダニズムの構図、そこに格式あるペニンシュラの”エスプリ”で仕上げられたような優美な空間で過ごす超一流のラグジュアリーステイ

2023年06月09日(金)
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文:濱本 瑞 (TARO編集部) / 構成: TARO編集部・HOTERES編集部
 

“第二の自宅”のような温もりと安らぎに満ちた滞在を提供する、
世界各国を代表するゲストを魅了し続けるVIP達の常宿

多くの著名人、VIP、ハリウッドスターや貴族などがお忍びで訪れる世界的にも人気のラグジュアリーホテル、ザ・ペニンシュラホテルズ。ほぼ1世紀に渡り、世界中のお客様に記憶に残る特別な時間と超一流のおもてなしやサービスを提供するホテルとして認められ、世界各国にあるどのペニンシュラブランドも年間を通して多くのVIPリピーターが利用しているホテルとしてあまりにも有名です。世界中の主要都市へ行けば最高級ホテルは珍しくない。日本の東京も同様ですが、その数ある最高級ホテルの中でもペニンシュラブランドが何世代にも渡り選ばれるのには理由があります。
 
そのペニンシュラグループの世界で8番目のホテルとして皇居外苑と日比谷公園の向かい側、丸の内の一流金融街とショッピングの中心地である銀座と隣接する日比谷に今年の9月1日で16年目を迎える「ザ・ペニンシュラ東京」に宿泊した時の様子を詳しくお伝えしていきます。その比類ない華麗な魅力に迫り、なぜ世界で愛され続けているのかを再発見します。
 

次世代に残るブランドには、哲学がある。どのペニンシュラに宿泊しても
一貫したコミットメント=ザ・ペニンシュラプロミス

"伝統とは、素晴らしい歴史を踏まえつつ、今日の誰もが未来に目を向けていることを忘れないことです。未来は過去の上に築かれ、私たちは偉大な遺産を持っていることを忘れてはなりません。"
これはザ・ペニンシュラホテルズを運営する香港上海ホテルズ社会長のマイケル・カドゥーリー卿の言葉です。
 
ほぼ1世紀にわたり、世界中のトラベラー達に記憶に残る特別な時間を提供してきたザ・ペニンシュラホテルズが長年愛され続けているのには揺るぎない理由があります。それは好ロケーションや優れた設備などの物理的な面では得られない、生きたホスピタリティであるお客様目線の一貫したサービスとコミットメントが創業当時から非常に高く評価されているからなのです。

どのペニンシュラのホテルでも提供されているお客様の立場に立ったペニンシュラの「約束」は「ザ・ペニンシュラプロミス」という形で世界中のどのペニンシュラでも提供されています。快適さ、利便性柔軟性―完成度の高いサービスを提供する超一流ホテルでさえもこれらを極めているブランドはほんの一握りではないのでしょうか。

 

ペニンシュラ・タイム

ペニンシュラのこだわりの一つにお客様のスケジュールに合わせてチェックイン・チェックアウト時刻を選ぶことができ、早めの到着、少し長めのご滞在ができる「ペニンシュラ・タイム」というサービスがあります。直接予約または推奨旅行アドバイザーを通じた予約の場合にのみ提供されますが、早朝6時から翌日22時まで、最長40時間ステイできるのです(適用除外日あり)。最大40時間も滞在できる仕組みは一体どうなっているのか?2021年の導入以来、世界中のトラベラーから業界関係者の間まで「さすがペニンシュラ!」と誰もが驚いたことだろう。まさにホスピタリティ溢れるサービスを提供するペニンシュラを象徴するようなサービスです。
 
今回の滞在ではこの「ペニンシュラ・タイム」を利用し、チェックアウトの時間を気にすることなくレイトチェックアウトをすることができました。チェックアウト時間に追われるホテルステイが休暇・バケーション中にあると、本来のリラックス&リトリートを目的とするバケーションが台無しになりますが、今回のペニンシュラ・タイムの活用で本来旅先で得られるべき「心のゆとり」という心理的な潤いに久々に出会えたような気がしました。これは世界中のどのザ・ペニンシュラホテルズでも提供されているのも嬉しいことです。
 

スタッフの個性を大事にし、
お客様の記憶に残る、長く語り継がれる接客

ザ・ペニンシュラ東京 総支配人 マーク チューン氏が語る”ペニンシュラ精神”
ザ・ペニンシュラ東京 総支配人 マーク チューン氏が語る”ペニンシュラ精神”

お客様に喜んでもらえるような接客をすることは、お客様の心に残るだけでなく、働くスタッフにも良い影響を与えます。ザ・ペニンシュラホテルズでは単なるマニュアル化、パターン化された接客ではなく、スタッフの個性が引き出され、ゲストが話題にしたくなるような記憶に残る接客サービスを心がけています。
 
ザ・ペニンシュラ東京総支配人のマーク チューン氏は接客について次のように語りました。
 
「ザ・ペニンシュラホテルズでは、ひとりひとりのお客様にあったサービスを考え、行動、そして提供することをモットーとするペニンシュラサービスの根本的な枠組みとなるペニンシュラ・サービス・プリンシパル (Peninsula Service Principles)という指針を改めて構築しました。これは、私たちスタッフがお互いに、あるいはお客様とどのように接するべきか・接したいかという指針で、お客様にとって魅力的かつ印象深い滞在や体験をしてもらうことを主な目的としています。
 
お客様と接するときに、ホテルスタッフの個性が十分に発揮され、輝いてもらいたいという想いもこの指針に込められています。友人や家族と旅先での思い出を語るとき、ホテル施設そのものや体験だけでなく、時にはそのホテルで出会ったスタッフも話題に出てくることでしょう。そういう記憶に残る従業員の存在やサービスがお客様の中で長く記憶として残り、語り継がれ、お客様から未来のお客様へと、どんどん広がっていくのです。」
 

日本の伝統美術・技術に触れられる空間

美しい曲線を描く優雅ならせん階段
美しい曲線を描く優雅ならせん階段

銀座と丸の内の交差点に位置し、皇居外苑と日比谷公園を臨むザ・ペニンシュラ東京は、丸の内・銀座への玄関口に佇む守り神のような圧倒的な存在感を放っています。モダンでラグジュアリー、そして伝統的なエレガンスを備えたこのロイヤルレジデンスとも言えるホテルを手がけたのは建築家の佐藤和清氏です。

佐藤氏は、構想の段階からホテルの存在をいかにアピールさせるかに意識を傾けました。東京の高級ホテルでは珍しい独立型の構造で、世界有数の繁華街の真ん中にありながら、楽園と安らぎの空間を作り出し、訪れる人々を包み込んでくれる、そんなホテルとして生まれたのがザ・ペニンシュラ東京なのです。

ロビーに足を踏み入れると、ザ・ペニンシュラ東京の壮大な施設のほぼ全てがアートにインスパイアされていることにすぐ気づかされます。インテリアデザイナーである橋本夕紀夫氏は、日本人を中心とした90人のアーティストによる1,000点以上の大コレクションを取り入れ、この優美な空間を構築したのです。

その中でも特に注目したいのが、『臥龍の門』『ザ・ヴォイド (The Void)』という作品です。ホテルのロビーに設置された一際目立つ巨大なアートの『臥龍の門』は現代いけばな作家の濱 恵泉氏によるものです。この竹のオブジェは龍が宇宙を守っているイメージで作られたもので幸運の守護としてロビーをダイナミックに演出しています。

ホテル中心部のエレベーターホール(8階〜23階)の高さ70mの吹き抜けアトリウムには24個の光る円錐形のグラスファイバーアートを吊り下げた『ザ・ヴォイド (The Void)』という作品が飾られています。制作はベン・ヤコバーとヤニック・ヴウによるものです。漆黒の闇の中に煌めきを放つこの謎めいた光の作品は、エレベーターを待つ宿泊客の束の間の鑑賞タイムを提供しています。

この2つの作品は、ザ・ペニンシュラホテルズのDNAの一部であり、アート、現代性、伝統がいかに融合し、ザ・ペニンシュラホテルズのエクスペリエンスの柱を形成しているかを示す代表的な例だと言えるでしょう。
 

『ザ・ヴォイド (The Void)』
『ザ・ヴォイド (The Void)』

もうひとつ、パブリックスペースで特筆すべきは、ロビーとらせん階段で見ることができる日本で唯一無二の地位を築いている左官師、挾土秀平氏によるクレイアート(左官アート)です。フロントデスクのレセプションの裏側には、伝統的な左官技法である「版築(はんちく)」を取り入れ、さまざまな色合いの粘土を70層にも重ねて塗った壁が絶妙なグラデーションを生み出しています。挾土氏の最も代表的なアート手法の一つです。
 

1階レセプション
1階レセプション


 

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