勇気をもってプラスチック削減に踏み切ろう
----サービスとSDGsの間で判断を迷うことがあったと思うのですが、どのように対応していましたか
プラスチック新法が施行された2022年4月1日、これまで無料で渡していたアメニティを、急に「有料です」とお客様にお伝えしたときの反応がどうなるか、正直なところ、とても不安でした。勇気をもって毅然と「やりましょう」と言ってくれたのはフロントスタッフのみんなでした。スイートルームだけ無料配布とか、グレードで特別扱いもしない。環境に配慮することは誰にでも共通なのだから、というみんなの意志に学ぶ思いでした。この毅然とした姿勢は、いきなり醸成されたものではなく、開業からずっと環境配慮の視点で何度も考えて決断してきた成長の証のように、私には思えました。
----今後の展望はどんなことを考えていますか。
2019年12月に誕生し、3年半が経過しました。海外など多様なお客さまで賑わうこれからは、ホテルの持つ価値が、多様に進化する時だと思います。特に、「体験価値を高める」ということにこだわっていく。客室でのステイだけでなく、ステーションまるごとの魅力を味わえる体験や、他にはないエリア体験をどんな国の人も楽しめるようにする。それが、価値に一層磨きをかけるのではないかと思います。それには押し付けではなく、嗜好を知り、対話から生まれる小さな発見をひとつひとつ汲み取り進化させていく心意気、が必要だと思っています。