毎週、お酒に関わらず飲料を様々な視点で紹介したり考えてみるコラム「Drink of the Week」。
第２回は、機能性（表示食品）です。（２回目なのに急に食品！というご指摘はごもっともですが…）
DEKAVITA KING（機能性表示食品）
【販売元】サントリー食品インターナショナル株式会社
大粒ラムネSUPER(スーパー)
【販売元】森永製菓株式会社
今年のトレンドは…
海外の飲料メディアのニュースを見ていると、今年は低アルコールやノンアルコールの記事が多かったり、インド市場の話では、財政面の話や海外大手酒類企業の戦略の話やウルトラプレミアムウォッカの話など様々なフォーキャストが出ていますが、健康やマインドフルネスに関する需要の高まりも以前より指摘されています。特にコロナ禍を経て、心身ともに健康であることへの需要は世界中のメディアでも言及されています。
特にここ数年では、認知機能に訴求する商品が増えており、以前はスマートドラッグの文脈で使われていたNootropicsという単語が、今では飲料系のニュースでも機能性飲料として見かけるようになりました。日本では特に高齢化社会という事もあり、QOLの意味でもそうした認知機能をサポートする商材への需要があるようです。
その一方、Canadian Centre on Substance Use and Addictionが発表した飲酒に関するガイドラインは大きな反響がありました。イギリスでは、１月は禁酒月間的なプロモーションが行われることもあり、毎年飲酒との関係に関する記事が多くなります。脳科学の分野でも飲酒に関する研究も進んでおり、例えば、依存症における現実逃避のメカニズムに着目した研究などがあります。CBD市場も期待されている中、香港では禁止となったりと影響も気になるところです。
メーカーや輸入業者は、こうしたトレンドには敏感です。新しい商品が出たときには、どんなトレンドや発想で商品開発したのかな？と考えながら、それを料飲に取り込む方法を考えてみるのも手かも知れません。また、リスクに繋がりそうな流れも把握することで、急な再帰性に巻き込まれても動きが取れるようになるかも知れません。今後も、気になる情報があったら、順次お伝えしていければなと思います。
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【今週のカバー】Pézenas, France
南仏、モンペリエから西に少し行った街ペズナで見かけた看板。ちょっと異世界転生したような気分になります。耳にかけてるであろう鉛筆や腰にあるメジャーがなかなかニクイ演出をしてくれています。職人さんの遊び心を感じる看板です。
【参考文献】
Canadian Centre on Substance Use and Addiction, Canada’s Guidance on Alcohol and Health, 2023
Jia T, Xie C, Banaschewski T, Barker GJ, Bokde ALW, Büchel C, Quinlan EB, Desrivières S, Flor H, Grigis A, Garavan H, Gowland P, Heinz A, Ittermann B, Martinot JL, Martinot MP, Nees F, Orfanos DP, Poustka L, Fröhner JH, Smolka MN, Walter H, Whelan R, Schumann G, Robbins TW, Feng J; IMAGEN Consortium. Neural network involving medial orbitofrontal cortex and dorsal periaqueductal gray regulation in human alcohol abuse. Sci Adv. 2021 Feb 3;7(6):eabd4074. doi: 10.1126/sciadv.abd4074
担当：小川
