地元の魅力が詰まったこの場所で、ここでしかできない体験を
----日頃、働く上で意識していることはありますか
まずは、お客様に満足してお帰りいただくことと、「また来るね」って言ってもらえるような接客ですね。あんまりお客様との距離感を詰めすぎても良くないし、離れすぎてしまっても良くないのでお客様とのほど良い距離感は意識しています。
あと、私は昔からこの地に住んでいるのですが、都会にはない良さがここにはあると思っています。今年2歳になる子どもがいるのですが、よく外を散歩したりして、のんびり過ごしています。家に帰ってから星を見ることもあるのですが、逆にこのホテルができてから「あ、今日はいつもより綺麗だな」など、より星を意識するようになりました。「カシオペア座が出ている、土星が出ている」など星についても詳しくなりましたね。星空観察って日常の中でなかなか経験する機会がないじゃないですか。だからこそ、このホテルでの体験を通して宇宙と地球の距離感を感じていただければと思います。
----馬場副支配人が考える「星の郷ホテルの魅力」とは?
やっぱりメインとなる魅力は、南会津町に来て「星を見るという体験、郷土料理を食べるという体験、温泉を楽しむという体験」の3つの体験が合わさっていているところかなと思っています。特に郷土料理については、できるだけ福島県産の食材を使いたいという思いがあり、福島黒毛和牛や西郷村のメイプルサーモンなどを使っています。トマトも美味しくて、すりおろしのトマトジュースを朝食に提供したりしています。夕食に提供しているわっぱ飯はこの辺りの郷土料理で、きのこ、ぜんまい、しらすの3種類から具材をお選びいただけますよ。
あとは、内装の木材は床から壁までほぼ全てが地元南会津産の木材となっていて、廊下にいくつかあるDENは建築士さんが「小休憩ができるように」と設計してくださいました。廊下にある小物やお部屋ある星型の小物入れも地元の工芸屋さんに作っていただいたものです。こういった建物の内装にある木のぬくもりであったり、そこに加わるスタッフの接客がコンセプトである「幾億幾千の星に出会える山郷のプライベートリゾート」を支えていると思いますね。
最初は山奥にひっそりと建っているので、若い人たちにはどうなのかなと思っていたのですが、実際にはこれらの魅力がSNSでの拡散を通して広がり、多くの方にいらっしゃっていただいている状況です。
このホテルの存在を忘れられてしまわないためにも、引き続きリピーター率を高めることによる安定的な経営とネット戦略に力を入れていきたいと考えています。ありがたいことに拡散もよくしていただいているので、ネット上での情報や口コミを通してさらにこのホテルを知ってもらえるよう、今後も頑張っていきたいと思います。
「星の郷ホテル」 取材後記
ホテルのメインコンセプトである「星」の他にも、食事や温泉、木の温もりあふれる家具などといった多数の魅力によって成り立っている宿泊施設であると感じた。またスタッフの方々の温かくもゲストに介入しすぎない姿勢は、まさに山郷のプライベートリゾート体験をゲストに提供するもので、とても勉強になった。残念ながら取材時に星を見ることはできなかったが、ぜひまた訪れてリベンジしたいと思う。そう思える素敵なホテルであった。(西莉子)