コロナ禍のオープン、町とともに作り上げたホテル

----星の郷ホテルオープンの裏側
 
　もともとあったさゆり荘が震災の影響を受けて建て替えをすることになり、そのタイミングで星の郷ホテルが誕生しました。立地は耐震構造の問題を考えると昔と同じ場所に建設することは難しく、この場所に建てることになりました。ここは元々スキー場の駐車場だったんですよ。
 
　建物の所有は町の所有で、経営は株式会社みなみあいづが任されてやっています。家賃を払っているわけではなく、町の建物を預かって運営をしていて、その中で自分たちで売上を作っていくというスタイルです。コンセプトが「星」になった背景には、前身のさゆり荘のお客様アンケートで「星がとても綺麗だった。」という声が多かったことなどが関係しています。

　設立の目的として観光はもちろんですが、地域の視点から触れると、高齢化社会の中で地元の若い人たちの働く環境を作るという目的もありました。このホテルのような新しい建物の建設は民間であったら難しい部分もありましたが、町が協力してくれているからこそ実現できている部分もあります。現実的な話になってしまいますが、税収はそんなに無く、若い人も都市部へ流れていってしまう状況です。「こんな魅力的な建物で働きたい」と思ってもらえれば…という雇用創出の目的でもこのホテルは作られました。
 

----コロナ禍でのオープン、お客さんの反応はいかがでしたか
 
　オープン前の段階から町としても「成功させたい」という思いがあり、web専門の会社にホームページからインスタグラム、web広告の作成を依頼し集中的に力を入れました。そのおかげもあって9月のオープンから11月いっぱいくらいまではかなり忙しかったです。ちょうど福島県民割も重なったタイミングだったので、そこまでコロナのマイナスな影響は感じなかったですね。もちろん密になってはいけないので稼働を抑えるなどの対策はしていましたが、多くのお客様に起こしいただきました。県内メインでテレビにも来ていただいたりして、あらためてwebの力を感じましたね。自分たちの力だけではここまでできなかったと思います。
 
　オープン前のメインターゲットとしては、30代くらいのカップルを設定していて、女性が好みそうな北欧風の館内デザインや装飾、webプロモーションを行いました。もちろんターゲット層の方にも来ていただいているのですが、実際の客層で言うと平日は年配の方々、休日は若いカップルやファミリーなど幅広い層のお客様にお越しいただいています。平日と休日でガラッと客層が変わるのもこのホテルの特徴かもしれないですね。北は北海道、南は沖縄からお越しいただいているケースもあって、最近は関西からいらっしゃる方も多いです。遠方かつ移動距離も長い中、「どうしてもここに来たい」と旅の目的として足を運んでいただけているのは嬉しいですね。