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2022年9月2日号 トップインタビュー (株)東急ホテルズ 執行役員 ザ・キャピトルホテル 東急 総支配人 志村 恒治 氏

トップインタビュー (株)東急ホテルズ 執行役員 ザ・キャピトルホテル 東急 総支配人 志村 恒治 氏

【月刊HOTERES 2022年09月号】
2022年09月01日(木)
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アフターコロナで求められる新たなホテルの価値を追求

----コロナ以降、ホテルの宴会場は稼働が落ち込んでいます。今後、ホテルの宴会場はどのようになるでしょうか。

2019年の客室平均稼働率は約 80%、約 8割が海外からのお客さまで、宴会も同様に高い稼働を維持し推移しておりました。2020年度、新型コロナ感染症流行の初期は宴会が約 9割減となりましたが、現在は回復基調にあります。
 
 特に 2022年度からは感染対策を十分に講じながら、お客さまに安心してお食事などを伴うご宴席をご利用いただけるかを日々模索しております。また、今後は近い将来必須となる社会要請に対し、いかに柔軟に対応、発信していくかが新しい宴会のご利用の鍵となると思います。
 
当ホテルでは、グローバルホテルとしてSDGsへの対応を発信するために、2022年 5月15日にフードイベント「サステナブルテーブル第 1章」を開催しました。これは行動制限が明けた今春に、顧客・東急ホテルズ会員メンバーはもちろん、新規顧客へのアクションとして立案・実施しました。当ホテル総料理長の曽我部俊典が中心となり、一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会との協業によって実現しました。
 
 第1章のテーマは「プラントベースフード」。フルコースとノンアルコールのサステナブルドリンクとのマリアージュを楽しめるフードイベントで、多くのお客さまにご参加いただきました。第2章は「食品ロス」をテーマに8月21日に開催しました。10月の第 3章では「サステナブルシーフード&ベターミート」をテーマに、そして第 4章と継続していきます。

宴会場の新しい可能性の創出として挑戦したことではありますが、いまのわれわれがお客さまにできることとして、今後も感染防止対策をしながら新企画の立案に尽力、実施していきたいと思います。 

※ Stay home with The Capitol team……自宅でザ・キャピトルホテル 東急を体感できる動画コンテンツ
 
----リーダーとしての自己分析と統率していくための考えについて、お話しください。

自己分析すると、ほかのリーダーに比べて私はいたって平均的な人間だと思うのですが、むしろそのことが強みではないかと思っています。カリスマ的なリーダーのもとでは、実はそれ以上の能力の“人財”が力を発揮することは難しいと感じるからです。
 
 向かうべき方向性は示唆するものの、大切なことは、個々の能力を最大限に引き出すことであって、誰かと同じような結果、姿を強いるものではない。そういった考えをベースに、ぞれぞれの良さを生かすことができるリーダーでありたいと思います。いま居るメンバーとこれから加わる仲間と共に、同じ方向にまい進していきたいと考えています。
 
そのために、四半期ごとに全スタッフを対象にミーティングを開催し、直接総支配人の考え方を伝えるとともに、スタッフの意見を聞く機会を設けております。また総支配人室のドアを常に開けて誰もが気兼ねなく会話ができる環境を作り、できるだけ face to faceでスタッフとの関係を構築するよう心掛けています。 
 
----アフターコロナの営業戦略について。また、コロナ以降特に、観光業・サービス業への就職希望者が減少しています。今後、人材についてどのように考えていますか。

2022年の上半期の宿泊平均稼働率は約 40%、ADRは約 4万円で推移しています。コロナ以降、国内の今までのお客さまと会員メンバーに支えられてきました。コロナを機に、当ホテルの国内での知名度が認識していた以上に低かったという課題に直面しました。この現実を受け止め、本年より、国内での知名度向上やセールスプロモーションも展開していく構えです。
 
 また渡航の制限がなくなれば、フォーブス5スターなどの外部評価の恩恵をもっと享受できると期待しています。

コロナを機に業界を去る人は多く、当ホテルも自然離職はいくつかありました。その問題点は、業種だけではないとみています。いまこそ、この業界の労働環境を広い意味で見直し、働きたい産業、働きたい職場に再構築する必要があると思います。リニューアルオープンから 12年目を機に、サステナブルな経営を見すえたホテル運営をしていきたい。そういったことに共感する仲間とともに目標に向かって進んでいきたいと思っています。

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