四条通沿い、祇園の名で知られる花見小路の入り口の斜めまえに、「OMO5京都祇園(おもふぁいぶ)」は立地する。近隣には八坂神社、高台寺、清水寺、知恩院など数多くの有名寺社仏閣や、「鍵善良房」や「原了郭」、「かづら清老舗」など、古くから京都の街を盛り立ててきた老舗も多い
今、ホカンスが人気だ。今回は、‟滞在を楽しむ“をテーマにホカンスを考えてみたい。そこで、星野リゾートが運営する「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」の事例を紹介したい。
星野リゾートが都市観光をテーマに、‟寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市ホテル“をコンセプトに、地域の特性を活かした展開をしているのが「OMO」ブランドだ。京都には、その「OMO」ブランドが3拠点ある。いずれも魅力的な施設であり、おのおのの施設がどのようなテーマのもとに展開されているかは、本誌「HOTERES Entertainment!」2022年6月24日号にて紹介しているので、そちらを参照されたい。
その上で、「OMO5京都祇園」が、ホカンス的視点から他の2施設と違う魅力を持っている理由は、各客室にキッチンが併設されていることだ。キッチンには電子レンジにIHヒーター、冷蔵庫、調理に必要な基本的な調理器具一式に加え、ホームベーカリーまで用意されている。ホームベーカリーは、朝食に焼きたてのパンが楽しめる‟おへやベーカリーセット(※要申し込み)“用のもので、粉やイーストはもちろんのこと、水やバターまで、それぞれ容量を量ったものを施設側が用意してくれている。それゆえ、パン作りの初心者や普段料理をしない男性でも、簡単にパン作りに挑戦できる。プランには抹茶スプレッド、豆乳ディップ、粒あんなどの6種類のコンディメントとドリップコーヒーも含まれており、焼きたてのパンと共に過ごす、贅沢な朝時間プランだ。加えて、OMOベースに設置されている自動販売機にはジャムやスープも用意されており、これらと共に食すのも一興だ。ハムやチーズなどのスタッフィングを前日に購入しておけば、自分好みにカスタマイズすることもでき、連泊や再訪の際もさまざまな形で朝のひと時を楽しむことができる。京都といえばパンの街としても人気だが、その街で自分が焼いたパンを食べるというのは、一般的な旅行ではなかなかできない経験ではないだろうか?
「OMO5京都祇園」の客室に併設されているキッチン。稼働中の音が睡眠を妨げないように、ホームベーカリーを入れる防音ボックスまで用意されている
また、夕食時にもこのキッチンは活躍する。同施設では、「一力亭」などの祇園のお茶屋に仕出しをする「菱岩」や、「鳥久」といった老舗と連携しており、それらの仕出し弁当や水炊き(夏場は鱧鍋も注文可能)を客室にセッティングしてもらうことができる。プライベートな空間で、温かいものは温かく、冷たいものは冷たい状態で料理を味わうことができるので、リラックスしながら一流の味を楽しめると満足度も高い。UberEatsなどのデリバリーを頼むことも可能となっており、さまざまな京都グルメを部屋でリラックスしながら楽しむこともできる。錦市場や各商店街で京都ならではのお惣菜や材料を買ってきて、‟渡韓ごっこ“ならぬ、‟はんなりごっこ”を楽しむのもいいだろう。
京都は幾度となく足を運ぶお客さまも多く、慣れてくると〝観光と生活の両面“を楽しみたくなる街でもある。その際、町家や民泊を選択するのもひとつだが、それら宿泊施設とホテルの違いは、なんといってもホスピタリティ溢れる‟サービス”を受けられることだ。旅行中は時間に追われる上に、限りがある。その中で、効率的かつ至れり、尽くせりな環境で、〝京ぐらし”を体験できるのが「OMO5京都祇園」の魅力だ。
ちなみに「OMO」ブランドは、旅のサブスクサービスを提供する「HafH」との提携でより泊まりやすくなっており、ポイントをためれば連泊もできるようになっている。
新しい生活様式と共に価値観も多様性をもつ昨今、旅の仕方も多様性の幅を広げている。‟暮らすように旅する“ことを、ホテルというサービス空間の中で実現する「OMO5京都祇園」の提案に、ぜひ触れてみてもらいたい。
OMO5京都祇園 by 星野リゾート
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo5kyotogion/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp