ネイバーフッド×軽井沢 働き手にも有意義な環境を
----貴ホテルが実践する SDGSのポイントについて教えてください。
ロビー棟、ダイニング棟、スパ棟の約135m2において、積極的に木材製品を使用。うち約 80%は長野県産のカラマツを採用しています。柱には集成材を使うことで強度を高め、安全性にも問題はありません。鉄骨のプレハブや、鉄筋コンクリートなどの建築資材は、製造時に多くのCO2を排出しますが、木造建築では鉄骨の約 34%、鉄筋コンクリートの 23%の炭素放出量に留めることができ、木々が生きている間に吸収した二酸化炭素は、製品化された後もそのまま木々の内部に留まることから、二酸化炭素の効果的な固定方法として認知されています。私どもでは、伐採の時期を迎えた木を積極的に使用し、新たに植林することで緑の保全、地球環境に貢献していきます。
客室アメニティは、ホテルインディゴ箱根強羅に続き「バイオロジー」のバルクボトルを採用するなど、プラスチック削減にも配慮しています。ジムには木材を取り入れたアイテムやマシンを置き、自力だけで動くNOHrD(ノード:非電動式)のランニングマシンを採用しました。
---- 2016年、IHG国内初の女性総支配人となったそうですが、どのような人材とホテルを築き上げていきたいですか。
私は、豪タスマニア州のシェラトン・ホバート(現・グランドチャンセラーホバート)、レストポイントホテル&カジノからホテルキャリアをスタートしましたが、その後システム会社に属していました。さまざまな経験があるということは多くの視点でとらえることができるとも言えます。男女にかかわらず外国人も積極的に採用しました。特に意識したのは年齢にも幅を持たせ、60歳以上のベテランの雇用を積極的に行なったことです。ユニークで多様な個性、キャリアを持つ人材を採用して組織を築き上げダイバーシティーを加速させたいですね。
また開業に際し、2021年の 2月に軽井沢に居を移し、関係者やスタッフともにホテルを作り上げて参りました。鳥のさえずりで目覚める心地よさと、軽井沢は余計な雑音がないところが気に入っています。周辺の魅力の探訪にも努めています。ネイバーフッドのアクティビティとしては、提携農園で野菜を収穫し、サラダに仕上げて食べるといった体験の計画、自転車で巡る南軽井沢のルート設定や地場の店舗との連携も強めて参ります。
初年度の ADRは周辺ホテルの平均値が目標です。コロナ禍で人気のエリアになったという追い風もあり、しっかりとホテルインディゴ軽井沢をこの地に根付かせていきたいと思います。