マルチタスクの象徴となるバトラー制度を構築してスタッフが 目指すべき存在を創る
橋本 グラシアニはプロフェッショナル集団であり、専門的な知識を習得しながら専門家としての経験を積むことを義務化しているので、例外的にマルチタスクとは別の方向性で動いています。その一方でサンカラ屋久島の場合、マルチタスクのスタイルを磨いていく必要があると考えています。ただし目指しているマルチタスクの形は今のところ完全には実現できていません。
サンカラ屋久島では現在の、「バトラー制度」をより磨き上げようとしています。私たちの間ではバトラーがマルチタスクの象徴になっていて、その仕組みを完成させるための方法論を模索している最中です。ハウスキーピング、レストラン、フロントなどあらゆる部署においてインチャージ(現場責任者)ができる力を持っている人材をバトラーに任命していきたいのです。
各部署のインチャージができるバトラーが現場に立つことを、マルチタスクの一段階目の完成形として設定しています。その目標に向かうために2022年度中にバトラーの専任部門を創り、すべてのポジションでインチャージができるようになったスタッフを正式にバトラーとして任命し活躍してもらおうと考えています。バトラーの給料体系も整え、他のスタッフが目指すべき存在として優遇していくつもりです。
バトラーとして認められる条件の1つとして、ソムリエの資格取得も入れたいと思います。バトラーの語源は「主人の大事なワインのボトルを管理する」という説もありますので、やはりソムリエは必須だと思います。
——平川商事が手掛ける事業は多岐に渡ります。ホテル・レストラン事業を希望しても、入社後に別の事業部に配属されるケースはありますか。
大橋 そういうことが起こらないように、基本的に本人に希望する事業や施設を選択していただくようにしています。
もちろん何から何まで本人の希望に沿って仕事を進めていくことは会社に所属している限り難しいのですが、異動にあたっても本人の意思を確認した上で辞令を出すようにしています。本人の意向にまったく反した部署に強制的に異動されるようなことはありません。
青野 私の場合、入社後にサンカラ屋久島に配属されることが決まっていたのですが、その前に別のホテルでの経験を積んでおきたいと考えて、奈良健康ランド・奈良プラザホテルでのアルバイトを希望して、受理されました。
グラシアニに異動する前はソムリエを目指してもっと深くワインを勉強したい、レストランのサービスをしっかりと学びたいという理由から希望を出して、会社に認めてもらいました。
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