----昨今は配膳ロボットの導入なども話題ですが、その点に関してはいかがですか。
配膳ロボットも実例店舗としての導入における勉強はしました。今後、将来的に使うこともあるかもしれませんが、具体的な導入については現状、考えていません。それよりも社員を大事にすることで雇用の維持と確保に力を注ぐ方が今は大事ですね。NYなどロックダウンで従業員をレイオフしてしまったことでいざ営業再開となった時にスタッフがいない、戻ってこないという状況があちらこちらで起きています。コロナが落ち着き、本格始動という時に万全の体制でいるためにも今は一緒にがんばってくれているスタッフと共にその時を待つ時期だと考えています。
さらに弊社の店舗は基本的に人が介在することでおいしい料理とホスピタリティのあるサービスを提供するとスタイルです。この部分がなくなってしまうことはワンダーテーブルのアイデンティティがなくなってしまうことにつながります。ですから DXはあくまでもそういった“人が介在する部分”に注力する上で有益かどうかを導入指標にしています。
複雑化する外食産業のコロナ対策ガイドライン
----最後に秋元社長は自社の経営だけでなく、外食産業を代表してコロナ禍における政府との交渉などでも活躍されていますが、1年半以上に渡るコロナ禍をどのようにご覧になっていますか。
長すぎるというのが正直なところです。その中で飲食店ばかりが注目され、“緊急事態宣言 =飲食店”といった感じで、われわれに対する政策ばかりになっているのは問題だと思います。リソース的に飲食は 4位で、他の理由についてももっとテコ入れされるべきではないでしょうか。また他の業界と違い、外食産業に対しては政府、専門家、自治体とそれぞれの立場からのガイドラインが提示され、どんどんルールが増えているので混乱が生じている面もあります。現在、ほとんどの店舗が感染防止対策をきちんとしていますし、一度それらを精査し、全国統一のシンプルなルールに組みなおすこともそろそろしてもいいように感じています。
----ありがとうございました。