2015 年6 月1 日より、「特別安全衛生計画策定の義務化」が制定された。俗に言う「ブラック企業」を厚生労働省が認定するとその企業は事業が継続できなくなるもの。と同時に、ブラックではない証しとして「優良企業」というお墨付きの認定を受けることで、企業としての差別化を図るとしている。500 法人2000 事業場以上の労務管理支援実績のある、一般社団法人クオリティ・オブ・ライフ創造支援研究所森田 司理事長が、ホテル、レストランといったサービス業を中心に、数々の事例を含めつつ、「優良企業を目指すことで経営改善につなげていく」考え方、手法などを伝えていく。
先月は労災と人災の関係と人災の多くがメンタルヘルスの問題や不調によって引き起こされることを解説しました。今月は中堅・管理職を対象とした「精神の健康被害が原因の労働災害」を防ぐ、をテーマに記します。メンタルヘルスの問題や不調を理由に仕事からの長期離脱や労災事案を発生させ、企業に大きなダメージを与えているのは管理職です。
もちろん、一般職と管理職では人数が異なりますので割合の比較にはなりますが、資料「表2-3 精神障害の職種別請求、決定及び支給決定件数」に示されている通りです。また、年齢というキーワードでみると、30 代、40 代が圧倒的に多いことが「表2-4 精神障害の年齢別請求、決定及び支給決定件数」から確認できると思います。入社10 年~ 20 年、企業の成長を推進する原動力として活躍して欲しい世代はメンタルヘルスの問題や不調の大きなリスクを抱えているという訳です。企業としては、ブラック企業認定リスクヘッジだけではなく成長戦略の重点取り組みとして中堅・管理職層を対象としたメンタルヘルス対策が必要不可欠ですね。