近年の食物アレルギーを含むアレルギー疾患の急増を受け、2015 年12 月までにアレルギー疾患対策への指針策定を国に義務づける「アレルギー疾患対策基本法」の実施が始まる。フードビジネスに携わる企業はもちろん、国民もまたアレルギー疾患に関する正しい知識を備え、注意を払うことを努めなければならなくなるという。そこで、現時点の当事者だけでなく、改めて識るべき「アレルギー対応」について発信する。
本連載では、私がこれまでフードビジネスの現場の方々としてきた対話や取り組みを通して見聞きし、感じた大事なポイントだけをお伝えしています。食物アレルギーとはどんな病気なのか、原因食品にはどんなものが多いのか、などはインターネットや書籍で手に入る情報なので、あえて取り上げておりません。それは、どんなに知識を得たとしても、食物アレルギーは、その人の生活や感情が大きくかかわるものであり、また、一人一人千差万別なため、現場で対応するにあたっては、ひとくくりにできない現実があるからです。今回は、企業がアレルギー対応に取り組むにあたって、また、われわれがアドバイスをするにあたって最も重要なことだと感じていることを書かせていただきます。
第5回
今村慎太郎の「本当のアレルギー対応を識る」
第5回 「あちらを立てればこちらが立たず」のアレルギー対応
【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月13日(金)