---2021 年に入り再度一部エリアで緊急事態宣言が発令されるなど、再度ホテル業界にとって厳しい時期がやってきています。この2021 年、さらにその先のマーケットについてどのように見ていらっしゃいますでしょうか?
Go To トラベルキャンペーンが中止となるなど厳しい状況に戻っていますが、日本は国内需要が高い国であり、感染の拡大が落ち着けば早期に旅行需要は回復すると見ています。当社も国内需要に重点を置き、ヒルトン・クリーンステイやEventReady などの対策を講じながら、柔軟性、保証、安心をお客さまに提供することに注力しています。
また、パンデミックが収束した後には、海外からのお客さまをお迎えする準備は整っています。日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通公社がアジア・欧米豪12 地域の海外旅行経験者6,266人を対象にしたアンケート調査によると、82%の人がパンデミック後に海外旅行を希望しており、コロナ収束後に観光旅行したい国・地域として、日本の人気は引き続き高く、アジアではトップ、欧米豪でも2 位の人気となっています。この結果からも、ホスピタリティ業界において、日本の市場は潜在性が高く、期待できると考えています。
---今後の展望についてお教えください。
ヒルトンにとって、日本は主要な戦略市場であり、2020 年は開発面で大きく飛躍した年となりました。LXR、ウォルドーフ・アストリア、ヒルトン・ガーデン・インなど新たなブランド進出を発表できたことは日本が主要な戦略市場であることの証です。
現在展開しているヒルトン、コンラッド、ダブルツリー、キュリオ・コレクションと4つのブランドに加え前述の新規ブランドが加わりますが、今後も引き続き、開発戦略の一環として、他のブランド展開も実現できればと思います。
ヒルトンは1963 年に日本初のグローバルホテルブランドとしてヒルトン東京(旧東京ヒルトン)を開業して以来、約60年の間にも多くの問題に直面してきました。その経験があるからこそ、このパンデミックが解決する日が必ず来ると信じています。
今回の危機がもたらす長期的な結果を予測することはできませんが、安心して旅行を再開できる時がくれば、お客さまはさまざまな体験を求め世界中を旅行するはずです。ホテル業界は必ず回復する日が来ると確信しています。当面は成長は鈍化すると思いますが、当社は強い回復力、機敏性および柔軟性を持って、需要の獲得に重点を置き、あらゆるビジネスチャンスを生かしていきたいと思います。
私たちのビジネスは数年先を見ているわけではなく、25 年、35 年先を見据えたビジネスです。 当社の成長戦略はコロナで揺らぐことはありませんし、現在開業予定の8軒のホテルを含め、今後も積極的にビジネス展開をしていきたいと思います。
100 年後も業界をリードする企業であり続けるために、将来を見据えた成長戦略を持って今後もホテル業界に貢献し、新しい生活様式でも変わることのないヒルトンの心温まるおもてなしをお届けします。
2021年2月5日号 トップインタビュー ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者 ティモシー・ソーパー 氏
トップインタビュー ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区 運営最高責任者 ティモシー・ソーパー 氏
【月刊HOTERES 2021年02月号】
2021年02月03日(水)