今回取り上げるのは岡山県の県庁所在地、岡山市。岡山市は城下町として栄え、中国地方を代表する都市である。岡山城や岡山後楽園など多くの資源を有する観光都市であり、交通網も発達していることから中国・四国観光における交通拠点になっている。以下に岡山市のマーケットポテンシャルと岡山県の観光マーケットを見ていこう。
1. マーケットポテンシャル
岡山市は北区、中区、東区、南区の4 区から形成される政令指定都市である。人口は69 万6215 人(2019 年)で、岡山県内の人口シェア37.0%を占め、県内で最も多い人口を有している。これは中国地方において広島市(117 万6951 人)に次ぐ人口ボリュームである。
その他の県内主要都市を見ると、紡績産業で栄え、今は工業と観光の都市である倉敷市が47 万6481 人で続いており、岡山市とともに県内の拠点都市となっている。その他、津山市が10 万639 人で続いている。岡山市と倉敷市以外はおおむね10 万人以下になっており、この2 市との人口格差が開いている。
増加率(19 年/ 14 年)を見ると、県内主要都市は全般的に減少傾向にあることが分かる。その中で岡山市は0.1%の微増で、主要都市内において数少ない増加都市となっている。その他の県内主要都市では工業団地が位置する総社市が0.9%の微増で、また第2 の都市の倉敷市も▲ 0.4%と微減である。この3市が県内主要都市においてほぼ横ばい状態となっている。岡山市隣接都市では比較的減少幅が小さいものの、それ以外の県内主要都市はおおむね▲ 5%~▲9%と減少しており、広域ではマーケットの縮小が危惧(きぐ)される。
岡山市の年齢構造を見ると若年人口比率は19.3%、適齢期人口比率は26.9%となり、ともに全国値(18.0%、25.1%)を上回った。その他の県内主要都市を見ると若年人口比率は倉敷市、津山市が19.8%で県内では最も高い。次いで総社市が19.3%で岡山市と同レベルである。適齢期人口比率は倉敷市が25.3%で岡山市を併せた2 市のみが全国値を上回っており、それ以外の県内主要都市はすべて全国値を下回っている。また、高齢者比率は岡山市と倉敷市以外で全国値(23.0%)を上回っており、30%を超える都市も多く県内の高齢化が進展している。
将来推計人口を見ると岡山市は2020年ごろまでは2010 年ベースをほぼ維持し、以降は緩やかに減少フェーズに突入すると推計されている。2040 年ごろには2010 年ベースから約10%程度減少するとみられている。その他の県内主要都市を見ると、倉敷市は岡山市とほぼ同様の動きになっている。それ以外の都市ではすでに減少フェーズに突入しており、将来的には2010 年ベースの60 ~ 80%程度になると思われる。将来的にも岡山市が県内で最も多い人口規模を有することに変化はなく、今後も最も高い人口ポテンシャルを維持すると思われる(図表3)。
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2020年07月08日(水)