ホテル、レストランなどの現場で長年経験したノウハウをもとに、多くのホテルや旅館を再生してきた実績を持つホスピタリティマネジメント㈱。同社代表取締役社長の菅野潔氏に、5 月14 日に公表された「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1 版)」の要点を、寄稿いただいた。
アフターコロナで業界再編成が進む
新型コロナウイルス感染症が経済に与えた打撃は地域や業種など問わず、かつて経験したことのないダメージの大きさである。その影響は1929 年の世界恐慌以上とも言われている。特に観光産業(宿泊、運輸、飲食、エンターテインメント、等)に与えた影響は計り知れない。すでに経営継続が困難な宿泊施設や会社が続出している中で、ようやく緊急事態宣言の解除が発表されるにいたった。
しかしビジネスやレジャーを伴う宿泊業が昨年並みに戻るためには、おそらく2~ 3 年程度の時間が必要と思われる。特にインバウンドに多くを依存していたホテルや地域に関しては、さらに復活までの時間を要することは明らかである。宴会需要や会議需要に関しても疲弊した企業が今までと同じ予算で実施するとは考えにくく、宴会の少人数化や予算削減などは宿泊部門同様に厳しい状況が続くと思われる。
また新たなホテル開発への投資意欲も著しく減退し、既存ホテルの業界再編成が一気に進むものと思われる。すでに売却や破綻の話などは水面下で相当活発に動き始めているようである。