居酒屋のアルバイトに売ってもらえる日本酒のシリーズは海外でも展開できる
島田 若い人たちを中心に人気の「ドラゴンシリーズ」は、どのようなストーリーのもと開発されたのでしょうか。
本田 山田錦を使って酒造りをしていると言ってみたところで、一般の人にその価値は分かりません。そこで私は居酒屋に行って日本酒の注文の仕方を調査してみました。すると「冷やしておいしいもの」「燗かんでおいしいもの」「刺し身にあうもの」という程度の要望で日本酒が注文されていました。
アルバイトの人たちは、「日本酒に詳しい人を呼んできます」とパスを出してしまいます。アルバイトに日本酒の銘柄を覚えなさいと言っても難しい。でも、彼らに売ってもらえるようにならなければ日本酒は売れなくなってしまうだろうと、私は危機感を抱きました。
そこで考えたのが、酒の特徴ごとにラベルを色分けした「ドラゴンシリーズ」でした。友人に描いてもらったドラゴンの絵を使わせてもらい、辛口は「黒ドラゴン」、燗は「赤ドラゴン」、常温は「緑ドラゴン」など、誰でも視覚的にお客さまが望む日本酒を提供できるスタイルを創りました。