㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏、㈱PLUS INNOVATION 代表取締役社長 住山 健 氏
文部科科学省は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢に発現するものとして政令で定めるもの」と発達障害を定義づけている。
小中学校を対象とした調査では6.5%に達しているという。今後、世界的にも増加すると予測されている中で、その子どもたちを対象にプログラミングというツールを使い新しい可能性を追求している㈱PLUS INNOVATION 住山健社長に取り組みをお聞きした。
福永 発達障害という言葉は今では、一般的に認知され、発達障害を持つ子どもたちに向けたさまざまな取り組みが行なわれています。この障害は精神的なもののため一見して目に見えないものだけになかなか分かりにくく、成長していく過程で普通の子どもと行動や言動などが異なることから発見されるケースが大半です。しかしながら、そこには限りない可能性を秘めた能力や才能が隠されており、その強みをいかにして開花させていくことができるかに取り組む動きが活発化してきました。そこで今回は国内で初めてこの分野に着手し、プログラミングというツールを使いながら対人スキルや生活スキルを身につける教育事業に着手されていらっしゃる㈱PLUS INNOVASION 住山健社長に取り組まれた経緯や、取り組み内容などをお聞きかせ願えればと思います。初めにこの事業に着手された経緯をお聞かせください。
住山 大学を終えたあと、発達に障害を抱える大人の方の就労支援の現場に従事してきました。その中において、非常に高い能力は持ちながらも障害の特性や課題面からコミュニケーションを取らずに完結できる仕事や、工場内においてのラインの仕事など、仕事を選ぶ際の選択肢が少なく、生まれもった強みを生かさずに社会に出られる方の支援に関わらせていただいてきました。主に出口のサポートを行っていた訳ですが、今も当時も変わらない社会問題のひとつである少子化問題にプラスし、近年では発達に障害を持つ子供の出生率も年々増加傾向にあります。