日本政府観光局(JNTO)が4月17日に発表した2019年3月の訪日外国人客数は、前年同月比5.8%増の276万100人となった。
2018年3月の260万7,956人を約15万人ほど上回り、3月として過去最高を記録した。
JNTOは、3月末であったイースター休暇が2019年は4月となった影響を受けた市場が一部あったものの、航空座席供給量の増加にくわえ、桜鑑賞等を目的に訪日需要が高まる春に向けて各市場で展開した訪日旅行プロモーションの効果もあり、訪日者数全体としては堅調に推移した。
2019年3月の状況と前年比推移は以下のとおり。
訪日外国人数(実数) 単位:千人 (編集部作成)
訪日外国人数前年比伸び率 (編集部作成)
市場別では、インド、米国、カナダ、英国、ドイツで単月として過去最高を記録したほか、10市場(中国、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、フランス、イタリア、ロシア)で3月として過去最高を記録した。
■各国の個別について
香港では、前年同月比12.4%減の17万1400人だった。旅行先として安価な中国行きツアーなどが好評だったことに加え、昨年は3月末からだったイースター休暇が今年は4月後半からとなったことの反動により、訪日者数は前年同月を下回った。
インドは、前年同月比28.7%増の1万7800人で、単月として過去最高を記録。春の桜シーズンによる訪日需要の高まりを、当該時期の需要獲得を目的としたムンバイ空港での屋外広告やデジタルを活用した情報発信等のプロモーションや旅行博・商談会事業が下支えし、訪日者数は好調な伸びを記録した。
英国は、前年同月比6.0%増の3万8600人で、単月として過去最高を記録。EU離脱後の経済に対する不安感はあるものの、継続的に展開してきた訪日旅行プロモーションの効果に加え、昨年と比べて訪日クルーズ需要が2019年は大幅に増加したことなどもあり、訪日者数は前年同月を上回った。
各市場別の数値は以下のとおり。
訪日外客数のシェアの比較 2018年/2019年
JNTOは、昨今の世界情勢や旅行先の多様化などを背景に、訪日旅行市場を取り巻く環境は日々変化している。今後も市場動向を綿密に分析しながら、訪日旅行プロモーションを進めていくとしている。
日本政府観光局(JNTO)
http://www.jnto.go.jp/jpn/