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第35回 伊藤誠英  イイ会社を創ろう  当たり前のことをバカにせずバカになってちゃんとやる 

第35回  心のトレーニングへの取り組みはメンターのリーダーを選ぶことからはじまる

【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月19日(金)
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 弊社では、技術を教える指導者をコーチ、心を鍛える指導者をメンターと呼んでいます。心のトレーニングへの取り組みは、このメンターのリーダー(以下メンターリーダー)を選ぶことからはじめます。メンターリーダーは、メンターの相談係になりますので、このメンターリーダーを誰にするかが成功の鍵を握っています。
 
 メンターリーダーの必要な人財像としては3 つあります。【話しやすい人柄であること】、【相手の気持ちに立って考えられる能力を持っていること】、【成長のためには厳しいことも言えること】、この3 つです。この3 つをバランス良く持っているメンバーであれば、どのような職種でもOK です。さて、メンターリーダーを選んだらメンターを選抜します。メンターに必要な人財像は、【精神的にたくましく成熟した考えを持っていること】、【フットワークが軽いこと】、【相手の気持ちに立って考えられる能力を持っていること】、【母性愛が強いこと】、この4 つです。
 
 ここで言うフットワークが軽いとは、受け身でないということです。「相談があればいつでもしにきてね」、このような受け身のスタンスではメンターはうまく機能していきません。自分から動いて様子を見にいく、自分から動いて話しかけにいく、このような姿勢がメンターには求められます。3 つめの【相手の気持ちに立って考えられる能力】とは、自分の目線のみで話を聞かない姿勢を持てるという意味です。経験を積んだ先輩からすると若いメンバーの悩みは軽いものに感じがちです。ただし、そこで相手の気持ちに立って考えられないと、メンターとしては不十分です。メンターは心を鍛えるのが役割なので、目線を合わせながら話を聞き、そのメンバーの成長のためにしっかりと指摘をしなければいけません。
 
 4 つめの【母性が強い】とは、文字どおりの意味です。【母性】を辞書で調べると【自分の子どもを守り育てようとする本能的性質】とあります。仕事ですので会社においては子どもではなく新入社員ですが、【母性の強さ】はメンターに必要な人財像です。何事も立候補で決めることが企業文化の弊社でも、新入社員の育成を一番優先して考え、メンターの選出に関しては立候補で決めていません。
 
 さてメンターに選ばれたメンバーには、メンター研修を実施します。メンター研修ではメンターの存在意義、心構え、行動や期間を伝えていきます。メンターの存在意義を改めてお伝えすると、新入社員の精神的な成長・コーチの苦手を補い成長を促進すること・企業文化をしっかりと伝えること・早期離職を防ぐことです。メンターは自分の存在意義をしっかりと理解しなければいけません。
 
 次にメンターの心構えを伝えます。技術を教えるコーチの心構えが【叱ることが自分の仕事と覚悟すること】となっているのに対し、メンターの心構えは【甘いなーと思うことが多々あってもとにかく話を聞く】となっています。心のトレーニングのためには、信頼関係が不可欠です。何でも話すことができる関係が築けるまでは、多少甘くても【とにかく聞く】に徹しなければいけません。
 
 この制度のポイントは、コーチとメンターの2 名でしっかりとタッグを組み、ひとりひとりに合わせた指導法をこの2 名で考えて実行していくことです。お互いの苦手をフォローし合いながら、ひとりひとりに合わせた指導法をしていかないと厳しすぎてしまったり、甘やかしすぎてしまったりといった結果になってしまいます。
 
 次回はさらに詳しくメンターの行動についてお伝えしたいと思います。
 

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