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トピックス 子どもたちへの食育活動「味覚の一週間」 

五味五感、味の伝承など味覚の多様性を全国の子どもたちに出前授業

【月刊HOTERES 2018年12月号】
2018年12月21日(金)
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小学生に教える手応え
 
 この活動の呼びかけ人の一人、磯村尚徳氏(日仏メディア交流会会長)は、「今フランス料理界では日本人シェフの活躍がめざましく、日本人が作るフランス料理はおいしい。逆に和食にもグローバル化は進んでいるのではないだろうか」と話す。
 
 服部幸應氏(服部学園校長)は、「日本を高く評価してくれたロブションさんが先日逝去し、哀悼の意を表したい。料理を通じれば下手な言葉はいらない。日本も2013 年にユネスコの無形文化遺産に和食がなり、これからの料理界を大事に育てたい」。三國清三氏(「オテル・ドゥ・ミクニ」オーナーシェフ)も、「日本人シェフにとってボキューズさんはわれわれの父親、ロブションさんは兄貴。そのおかげでフランスでミュシュランの2 ツ星を佐藤伸一シェフが獲得した。お二人を失った今、どうしようかという思いが強いが、遺志をついで子どもたちに教えることで次代に引き継いでいきたい」。
 
 藤野真紀子氏(料理研究家は、「次世代の子供に、五感を育ませる教育は大切と思っています。子ども時代に土台作りとして食卓は大切なのでできることはしていきたい」。柳原尚之氏(近茶流嗣家)は「淡い味、舌で感じる味、香りで感じる味などの経験を持つきっかけになって、家での会話が生まれているのを見聞きするのはうれしい」。
 
 昨年はじめて参加したコウケンテツ氏(料理研究家)は、「世界の食卓を訪ねるテレビ番組の取材で家庭を訪ねると朝食はごく簡単なものだったり、食べなかったり、考えさせられることもあった」。これに対し、「味覚の一週間」実行委員長の瀬古篤子氏は、「お母さんが作れなくてもお母さんは何の罪を感じることはありません。できるときにすればいいのです、というのがフランス人の考え方です」とコメント。髙山英紀料理長(メゾン・ド・タカ芦屋)は、「子どもたちは味について興味を持って欲しいので芦屋市の全部の小学校で行なっている。食育は生まれてから死ぬまで人を結びつけます」。

 ほかにも、NY と博多で人気店を経営し、宮崎で授業をしているヒミ・オカジマ氏(「燈みやび」オーナーシェフ)や、ごはんのおいしさから始めた桐原直紀氏「ご飯食堂桐家」店主)は、回を重ねるごとに町ぐるみの活動になったという。今回は熊本県嘉島町長の荒木泰臣氏が「食から楽しく健康に」をモットーに行政で健康ネットワークに取り組むという。
 
 子どもにとっては味覚の開拓、食の楽しさの発見などのメリットのある「味覚の授業」は大きく広がり、食の安全や小児肥満など、現代社会の食問題の解決に一石を投じている。


記者発表会で登壇した「味覚の一週間」呼びかけ人、講師の各氏。「ゆたかな心は、ゆたかな味覚から」を提唱

「味覚の一週間」
公式サイト:http://www.legout.jp

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