右から(株)インテグリティサポート 代表取締役社長 桐明幸弘、ネクストステージ・コンサルティング 代表 大山美和
(株)インテグリティサポート
代表取締役社長 桐明幸弘
〈桐明幸弘プロフィール〉
福岡県出身、昭和55 年「東洋信託銀行」(現三菱UFJ信託銀行)入行、平成2 年に独立系のM&A 仲介専門会社「レコフ」に入社。外資系投資銀行を経て、平成13 年にトーマツグループのM&A アドバイザリー子会社入社。平成15 年より監査法人トーマツにて事業再生部門を立ち上げ、ホテル・旅館等を中心に事業再生支援サービスに従事。平成19 年に独立起業し「株式会社インテグリティサポート」代表取締役に就任。福岡市経営補佐顧問、神奈川県地方公社等専門部会委員、週刊ホテル・レストラン編集委員、太平洋クラブ株式会社社長など務める。
ネクストステージ・コンサルティング
代表 大山美和
〈大山美和プロフィール〉
ネクストステージ・コンサルティング 代表
ファミリービジネス事業承継研究会 主宰
東京都出身、日本女子大学卒業、ボストン大学経営大学院MBA 修了。米国公認会計士。
米系金融機関、大手会計事務所KPMGニューヨークにて勤務後、平成9年帰国して同社日本拠点の創設と主要大手金融機関の不良債権処理や事業再生アドバイザーのパイオニアとして活躍。平成15年デロイトトーマツに転籍し、企業再生に加えて国内外M&Aを含む総合的ファイナンシャルアドバイザリー業務を展開し、旅館・ホテルを含めたホスピタリティ業界の対応案件に多く関与した経験を持つ。現在は、独立して旅館に代表されるファミリービジネスの経営革新や事業承継案件に数多く携わり、また、宿屋大学をはじめとする講座やセミナーなどを通して、旅館・ホテルの経営者・後継者に向けた『ネクストステージ・コンサルティング』を展開している。
日本の旅館業の再生と事業承継のために、同一地域において複数の旅館同士が連携して「地域一体再生」の実現を提唱する連載の第14 回です。前回は、複数の旅館でひとつの経営会社を持つことのメリットを説明しましたが、今回は、実際にどのようにそれを具体化するのかについて私どもが考えるひとつの方法をご提案したいと思います。地域ごとに抱える課題や事情が違いますから、それぞれに合った対処案を検討することになります。その場合でもプロセスのおおまかな流れは基本的に以下に示す「具体策のプロセス」を踏襲する必要がありますので、そのひとつひとつについて現在の旅館オーナー様の質問に答える形で説明してまいります。
〈具体策のプロセス〉
1. 当該地域の旅館業の実態調査
2. 地域金融機関、地方自治体、その他関係機関との連携
3. 投資ファンドの募集・地域一体再生ファンドの組成
4. ファンドの将来設計と経営体制の決定
5. 経営会社の設立、経営者の選別